統合失調症

今ある悩み・苦しみの思考を修正し 問題を解決・克服するためのカウンセリング

 
統合失調症   統合失調症とは以前には精神分裂症と言われていたものであり、その症状は多岐に渡るが代表的特徴には「幻聴」「幻覚」「被害妄想」等がある。
本人は懐疑的な思考には至らず、実際の出来事と捉え、実在するとの考えを決して譲らない。

 < Contents >
セラピールーム セラピールーム
初回カウンセリング進め方 カウンセリングプロセス 各種心理テスト
予約について 予約カレンダー空き状況 ご予約
Q&A カウンセリングデータ カウンセリング料金

アクセス・マップ

   
 統合失調症 関連性のあるページをピックアップしました
不安障害 不安神経症

 

 統合失調症

統合失調症とは、幻覚や妄想を特徴とする精神疾患です。基礎症状として物事を知覚した通りに認識するのが困難な「認知障害」や「自閉」、副次症状として「幻覚」「妄想」等が起こりますが、あくまでもそれらは代表的な症状であり、起こる症状はかなり広範囲に渡り人によって様々です。

普段の生活のなかで「感覚・思考・行動」が通常の捉え方考え方とは隔たりが見られ、社会生活を送るのが困難になっている場合には、統合失調症の可能性が高いと言えます。

しかし、本人は歪んで認識している物事や自身の思考は精神疾患によるものではないと感じている為、(例えば幻覚を「自分にだけ見える特別なものだ」と思いこんだり、他人の声が聞こえる感覚、幻聴を「人の心が読めるんだ」と思い込んだりしている)なかなか自分から統合失調症であることに気付くことができません。

この症状は100人~120人に1人ぐらいの確率で発症すると言われています。決して特別な症状ではなく、何等かのストレスが起因となり急に統合失調症になるというケースも少なくありません。ですので、身内や、身近な人が統合失調症かもしれないと感じても焦ることはありません。

きちんとした機関でしかるべき療法を受けることで症状は改善されることも多いので、早期に精神科、心療内科やセラピー等の適切な機関を訪れることが重要です。軽度であれば聖心こころセラピーでの認知行動療法などでも対応できるケースも実績として数多くあります。

 

 統合失調症の症状

様々な症状が発症すると書きましたが、その症状によって大きく「陽性症状」「陰性症状」「その他の症状」の三つに分類できます。急激に症状が悪化する陽性症状には様々な認知が起こり本人も周囲も相当に苦しみます。陽性症状期を過ぎ少し落ち着きを取り戻したなら、後遺症的な陰性症状期を迎えます。

陽性症状期で大暴れした統合失調症の副作用とも言える陰性症状期には倦怠感が襲ってきます。改善していくサインとも言えるものでありますがなかなか辛いものです。

 

 統合失調症の症状 1 陽性症状

統合失調症の症状が激しい形で現れている時期を「急性期」といいます。この期間、本人は頭の中が落ち着かず、少しの出来事を大きな刺激として受けとってしまい、症状に悩まされます。陽性症状として以下のものが挙げられます。

妄想などによって興奮状態、極限状態に陥る。

妄想や、客観的に見てありえないことを事実だと信じている。

きちんと相手の話を聞いているにも拘わらず、的外れな応答をしてしまう。

直ぐに頭の中が真っ白になり、考えがまとまらず、支離滅裂な話をしてしまう。

外からの刺激に対して反応を示さず、周囲との接触を避けたり、ずっと黙りこんだりしている。

考えがぐちゃぐちゃになり、自分が何を考えているのか、今まで何をしていたのかよく分からなくなる。

話せない。話のやり取りで自身の思考に割り込まれると過剰に考え込んでしまい神経過敏、鬱状態になる。

妄想には数多くの種類があり、以下のもの等が挙げられます。

被害妄想

他者から嫌がらせを受けている、自分は他人に嫌われている等と考える

関係妄想

周囲で起こる出来事を全て自分を中心にして、関係していると考える。

監視妄想

常に誰かに監視されていると感じる。

追跡妄想

誰かに追われているように感じる。

心配妄想

自分や他人が重い病気に罹っていると思う。

誇大妄想

本人が実際の立場や状態よりも、遥かに自分は偉大で立派だと思いこむ。

宗教妄想

「自分は神だ」「予言者だ」等と思っている。

嫉妬妄想

パートナーや恋人が自分を裏切るような行動をとっていると思っている。

恋愛妄想

異性に愛されている、少し会っただけの人にでも、自分に気があると思う。

毒薬妄想

飲食物に毒が仕込まれていると思う。家族にも警戒する場合もある。

血統妄想

自分は貴族、王族等の末裔だ、自身は高貴な特別な血統だと思っている。

家族否認妄想

自分の家族は本当の家族ではないと思う。

物理的被影響妄想

磁波・毒ガス等、目に見えない物に攻撃されていると思う。

気分妄想

周りで何かとんでもない出来事が起きている気がしリアルな感覚だと思う。

世界崩壊妄想

気分妄想の一つ。世界が今にも破滅する、崩壊する等と思いこむ。

これらの妄想は一つだけでなく、複数の妄想が組み合わさって起きていることが多いです。 周囲の人達は上記の様な統合失調症特有の妄想により困惑するのは当然と言えますが、その一方で、統合失調症が発症している本人はいくつもの妄想が組み合わさることで、恐ろしい考えに悩まされ、苦痛を感じているのです。

幻聴、幻視、体感幻覚

何も身体に触れていないのに、何かに触られているように感じる等、知覚に問題が生じます。幻覚を体験している本人は、外部からその歪んだ情報を受け取っていると感じている為、その情報を発している元が存在していると考えやすいです。

その為、「霊が見える、感じる」「狐がとり憑いた」「神のお告げが聞こえる」「人の心が分かる」等、妄想に繋がるような受け取り方をしやすいのが特徴です。

自我意識の障害

自分から発信された情報と他人から発信されている情報の区別が上手く出来ません。例えば自分で考えていることは自分から発信されている情報として受け取るものですが、自我意識の障害が生じている場合、自分が考えている言葉が外部からの情報として聞こえてきたように感じられるのです。自我意識の障害には以下の様なものがあります。

思考奪取

自分の考えが他人に盗まれているように感じる。自分の考えを盗める特殊能力を持った人間がおり、盗んだ考えによって、より良いアイディアを生み出したり、良からぬことを考えたりしていると思う。

思考電波

自分の考えが他人に伝わっていると感じる。

思考察知

自分の考えは周囲の人間に知られていると感じる。自分は考えを読まれてしまう特殊な存在だと感じる。

 

 統合失調症の症状 2 陰性症状

統合失調症の「消耗期」に表れる症状です。「急性期」を経てある程度に統合失調症の症状の期間が過ぎると「陽性症状」ほどのエネルギーを出せなくなる時期です。陰性症状としては以下の様なものが挙げられます。

食欲がない

集中力が続かない。疲れ易い

夜にぐっすり寝ても、朝も昼も眠い。過眠の傾向がある

自分から何かをしようとする気持ちがなかなか起きない

 

 統合失調症の症状 3 その他の症状

統合失調症における「陽性症状」「陰性症状」のように、急性期、消耗期に関係なく現れる症状です。不安感、焦燥感、緊張感、パニック発作、ひたすらに言葉を羅列する等が挙げられます。

 

 統合失調症の原因

統合失調症は、脳の神経伝達物質がうまくコントロールされていない為に起こっていると考えられています。しかし、多くの仮説は存在しますが、未だにはっきりとした原因は解っていないのが現状ですが下記に代表的な仮説を記して置きます。

1 発達障害仮設

「脳の発達段階で、何らかの障害によって脳が十分に成長できないことで統合失調症が発症する」という仮説です。統合失調症を発症された方の脳の構造に変化が生じている場合がある為に提唱された仮説です。統合失調症の一部には脳の発達段階での障害が関与している、と明らかにした研究結果も存在します。

しかし、脳の構造変化がどのような影響を与えるのか、そもそも脳に異常が発生した為に統合失調症になったのか、統合失調症になったから脳に変化が生じたのか、もまだ研究課題として残されています。また、症状の発見や改善への実用の段階にはまだ届いていません。

2 遺伝的な要素

これまでに行われた研究で、統合失調症を発症している人は、神経伝達物質(ドーパミンのように、受容体に結合して命令を送りだすスイッチになる化合物)の生成に問題はなく、脳細胞間の信号のやり取りに問題が生じている事が確認されています。

この信号のやり取りを適切に行う為に必要とされている機能を担っている生体の遺伝情報に問題が生じていて、それが遺伝すると発症する、と考えられています。また、遺伝子によってのみ発症するよりも、遺伝子と環境、2つの影響によって発症する人が多いとされています。

3 ドーパミン仮設

簡単に言うと、「脳の一部でドーパミンが過剰に出ている事が、幻覚や妄想と言った陽性症状に関係している」とする仮説です。ドーパミンというのは、受容体という受け皿にくっつくことで脳内に一定の命令を送る信号を発信させる化学物質です。

この仮説が有力だとされているのは、ドーパミンが受容体と結合するのを阻害する薬が、陽性症状に有効であった為です。しかし、この仮説に関する批判も多く、受容体の感受性(くっつきやすさ)が関係しているとする考えも存在します。また、ドーパミンの働きをコントロールする薬の副作用についても問題が指摘されています。

4 グルタミン酸仮設

「グルタミン酸受容体の異常が統合失調症の発症に関係している」という仮説です。フェンサイクリジン、という有機化合物を麻酔薬として開発していた時に、副作用として統合失調症のような症状がみられたことから発見された仮説です。

調べてみると、フェンサイクリジンはグルタミン酸受容体の阻害剤である事が判明しました。グルタミン酸受容体は、生体内の中でも特に中枢神経系の信号伝達に関わる部分に多く存在する受容体です。グルタミン酸と結合し、記憶や学習に関わると考えられています。

グルタミン酸受容体の働きを促進する薬を投与することで、抗精神薬の効能が上がったという事も報告されています。

 

 いじめられた経緯などから声が聞こえてくる

学校生活や新社会人生活など新しい環境で、誰かに何かを言われたり叱られたりという機会が増えると、それが引き金となって統合失調症が発症する場合があります。

最初は本当に言われていることなども多いのですが、そういった環境を抜け出しても、声が聴こえてきたり、幻覚を見たりと、現実と妄想の判断がつかなくなってしまい、大変な行動につながったり、家から出られなくなってしまうケースもあります。

普通はその環境を離れることで、次第におさまり、自分を非難する声も聴こえなくなるのが通常なのですが、そのショックが大きかったりすると、その場を離れてからも声がいつまでも聴こえることになります。

 

 病識がないことも多い統合失調症

統合失調症の特徴の1つには病識がないことも多いことがあげられます。聴こえてくる声などに関しては、自分は人の心を読んでいるのだと思いますし、いろいろな強迫行為なども本当にその現実があるから必要な行動なのだと思い込んでいるために、その行動が常識を逸脱しているものであったとしても自分で自覚が持てない場合も多いです。

本人というよりは周りの家族などが対応に困ってしまい、医療機関などを訪れるケースもあります。統合失調症でも、軽症の場合と重度の場合があり、軽度の場合には、少し幻聴が聴こえることや、周りの目線が気になるなどの影響が出ている場合もあります。

重度になってくると毎日寝たきりになっている場合などもあり、十人十色の症状を見せるのも特徴です。

 

 基本的には薬物治療を行っていく

統合失調症の場合には、基本的には抗精神薬などの薬を飲み続けることでその陽性症状や陰性症状をコントロールします。脳内のホルモンバランスが崩れている状態であるとも言え、少しの刺激などにも大きく反応してしまうケースなどもあります。

人から何かを言われた場合には、普通であればそんなこともあるかと受け流して済むことでも、自分は嫌われている、声が聞こえてくるといった妄想の症状が出て、その場で適切な対応ができない場合も出てきます。そういった場合には、その幻覚を収めるために薬などで精神状態をコントロールすることが必要です。

もちろん、本人の言っていることが嘘であるという訳ではないのですが、いじめなどを受けていた場合には、そのいじめがなくなった後でも、自分はいじめられているのだという感覚が抜けないままでいることも多いです。

 

 幻聴や幻覚に振り回されて外に出られなくなる

幻聴が続くと、人の発する言葉や向けられる視線などに大きな負担を感じ、自宅に一人で閉じこもってしまう場合などもあります。また、誰かの発する言葉やテレビでの映像なども自分に対して言っているように受け取ることや、自分の情報が他者に漏れていると感じるようになる場合などもあります。

自分が思っていることが他者に筒抜けになっていると怯えて、みんなが自分の悪口を言っていると思いこんだり、自分の噂話をしていると決め付けて、人前に出ることが怖くなってしまいます。家にいて一人でいるときにも幻聴がのべつまくなく聞こえてくることもあり、自分のやるべきことに集中できない場合もあります。

学校生活や社会人生活においては、本業に支障をきたしてしまうところが統合失調症の特徴にもなってきます。

 

 最初は些細なことが原因であったケースも

最初の取っ掛かりは誰かの陰口や噂話を聞いたことによるものである場合もあるのですが、そのことが引き金となり、自分の頭の中で、嫌われているのではないか、と思い悩むとか、いろいろな声が聞こえてくることになります。

声が聞こえるというのは、少し特異な現象で、普通であればそこにいない人の声は聞こえてくるはずはないのですが、統合失調症の人には、幻聴や幻覚などのものが実際に見えていて、現実と妄想の区別がつかなくなり怒鳴り込んでくることや、また自分の殻に閉じこもってしまうこともあります。

軽度の場合には、カウンセリングによって改善するケースもありますが、幻聴や幻覚などが激しい場合には、精神科に出向いて、薬などを処方してもらい、陽性症状などをきちんと抑え込むことも必要になります。

 

 青年期には破瓜型の統合失調症になるケースも

10代の若い青年に多いのは、破瓜(はか)型の統合失調症です。それまでは元気に過ごしていた場合でも、洗面や食事などの基本的な日常操作もできなくなる場合が出てきます。そして、幻聴や幻覚などを訴えるようになり、人としての文化的な生活ができなくなるケースも出てきます。

一流大学を出ていることや、優秀であった場合にも起こりうる症状であり、家族は余りの変貌に打ちひしがれる場合も多いのですが、きちんとした治療を行っていくことで人間らしい生活を営めることも多くなっていきます。長生きする人も多く、きちんとした援助の元、寛解し、一般の人と変わらないような生活を送れる場合も多いです。

 

 家族の対応も大切になってくる

統合失調症と他の障害との大きな違いに、幻聴や幻覚に悩まされることなどがあげられます。現実には起きていないことが本人にとっては現実に起きているものと感じられるので、最初は他の人も理解ができずに苦しむことになります。

また、母親をはじめとする家族が口うるさく子供を叱り付けてきた場合なども、子供にとってはいつも悪口が聞こえている状態になり、その声が無くなってもまだ声が聞こえるということにもなります。

「死んでしまえ」とか、「お前なんか…」という声が寝ているとき以外ずっと聞こえている状態なので、次第に気力も低下して、つらい状態が続きます。その姿は家族から見てもよく解らないという状況でもあるので、異変を感じたら早めに専門機関を受診して、治療を行う必要があるでしょう。

 

 強迫観念や強迫行動からの発症の場合も

強迫観念や脅迫行為により、強迫性障害を持っている場合には、自分でその行動がおかしいと思っている内は病識があるので改善することも可能なのですが、強迫観念や脅迫行為に対して、自分の行動をおかしいと思わずに確信をもって行っている場合には、統合失調症のような症状になっていくこともあります。

意味のない行動などをずっと行っていることで、日常生活にも弊害が出ますし、自分の考えがまとまらずに、支離滅裂なことを言ってしまう場合もあります。特に急性期においては、脳内で様々な情報が混乱している状態になっているので、まずはそれを落ち着けることも必要になってきます。

話があちらこちらに飛ぶことや、現実ではあり得ないことでも、現実として受け止めていることもあるので、その点のカウンセリングと治療が必要になってきます。自分の心の内を相手に分かるように説明するのが無理になっていることがほとんどで、頭の中が混乱してしまい、他人を傷つけたり自分を傷つけたりというケースも出てきます。

しかし、投薬も含め治療を行っていくことで、良くなっていくケースも多いので、諦めないことが必要です。幻覚や幻聴などは薬で収まることも多いので、きちんとまた社会生活が営めるように、周囲もフォローしていくことが重要になってきます。カウンセリングなどを通しても、社会生活を営む上でのアドバイスを積極的に対応していきます。

 

 統合失調症の療法

統合失調症には医師が処方する薬物療法が大きな効果を持ちます。薬を服用することにより幻覚、妄想と言った症状を軽減し、本人の負担を減らしていきます。その後、本人の心に余裕が出てきた所で、自身が統合失調症であるという認識をしっかり持ち、症状の改善に対して前向きな姿勢を築いていきます。

そして、社会生活をしていく上での人間関係や自分自身の表現方法に不備な点があれば改善していきます。聖心こころセラピーでは、こうした心理教育の他に認知行動療法・論理的思考法・作業療法・ヒプノセラピーなどいくつかの心理療法等を本人の状況に合わせて行って行きます。

症状を改善していくにあたり御家族は、統合失調症だからといって本人を腫れ物のように扱ったりせず、過保護や過干渉になり過ぎないように注意し、まずは心の病気に掛かり、苦しんでいることをよく理解してあげて下さい。

統合失調症がどのような精神疾患かを把握し理解し向き合って行く上で疑問が生じたなら医師やカウンセラーなどの専門家に質問し、本人の症状の改善に向けて連携をとっていくことが重要です。

統合失調症の症状は広範囲であり早めの対処が肝要です