名古屋の共依存|専門カウンセリング 親密すぎる苦しい関係を見直すために

 

臨床心理士 榊原史織

臨床心理士の榊原です。当相談室は開設20年、夫婦・親子などの共依存や執着心の臨床を熟練の男女カウンセラーと共に重ねてきました。ベテランの確かな見立てで、世代を問わずあなたの問題を根本から紐解きます。

臨床心理士 榊原史織

臨床心理士の榊原です。当相談室は開設20年、夫婦・親子などの共依存や執着心の臨床を熟練の男女カウンセラーと共に重ねてきました。ベテランの確かな見立てで、世代を問わずあなたの問題を根本から紐解きます。

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当カウンセリングは、診断や治療といった医療行為を行うものではありません。臨床心理士や公認心理師といった専門資格を持つカウンセラーが、認知行動療法などの心理療法を用い、様々な問題で悩む方々に対し、ご自身の心と向き合い、不安のメカニズムを理解し、日常生活をより穏やかに過ごすための専門的なサポートを提供します。


本記事は、アメリカ精神医学会(APA)が発行する『DSM-5-TR:精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版 改訂版』に基づき、臨床心理士が専門的知見のもとに執筆・監修しています。本内容は診断や医療行為を目的としたものではなく、カウンセリングにおける理解を深めるための情報提供としてご利用ください。
目次

共依存とは?恋愛・夫婦・親子関係で起きる依存の心理

共依存とは、相手を支えようとするあまり、自分の心や生活を犠牲にしてしまう人間関係のパターンを指します。
本来は「助けたい」「支えたい」という思いから始まる関係でも、いつの間にか相手の問題や感情を背負い込み、自分自身が苦しくなってしまうことがあります。

例えば次のような状態は、共依存関係の特徴としてよく見られます。

  • 相手の問題を自分が何とかしなければと思ってしまう
  • 相手に必要とされないと不安になる
  • 相手に振り回されても関係をやめられない
  • 相手の機嫌や感情に強く影響される
  • 自分の気持ちより相手を優先してしまう

このような関係は、恋愛関係だけでなく、夫婦関係や親子関係など、さまざまな人間関係の中で起こる可能性があります。

共依存は「優しさ」から始まることも多い

共依存という言葉から、特別な問題を抱えた関係を想像する人もいるかもしれません。
しかし実際には、共依存の関係は「優しさ」や「責任感」から始まることも少なくありません。

  • 困っている相手を放っておけない
  • 相手を助けたい
  • 自分が支えなければならない

こうした思いが強い人ほど、気づかないうちに相手の問題を背負い込み、関係が苦しくなってしまうことがあります。

共依存が起こりやすい関係

共依存は特定の関係だけに起こるものではありません。
特に次のような人間関係で見られることが多いと言われています。

  • 恋愛関係
  • 夫婦関係
  • 親子関係

それぞれの関係の中で、共依存の形は少しずつ異なります。

  • 恋愛関係では、相手に依存しすぎてしまう恋愛依存の形になることがあります。
  • 夫婦関係では、問題を抱えた相手を支え続ける中で夫婦共依存の関係になることがあります。
  • 親子関係では、親と子の距離が近すぎる親子共依存の状態になることもあります。

共依存の背景にある心理

共依存の関係の背景には、さまざまな心理的な要因があります。
例えば次のようなものです。

  • 自己肯定感の低さ
  • 見捨てられることへの不安
  • 人から必要とされたい気持ち
  • 幼少期の家庭環境の影響

こうした要因が重なると、人間関係の中で相手を優先しすぎるパターンが続いてしまうことがあります。

共依存は変えることができる

共依存の関係に悩んでいる人の多くは、

「どうしてこの関係から抜け出せないのだろう」
「なぜ同じような人間関係を繰り返してしまうのだろう」

と感じています。

しかし共依存は、原因や心理を理解し、少しずつ関係のあり方を見直していくことで変えていくことが可能です。

このページでは、共依存の特徴や原因、そして関係を変えていくためのヒントについて詳しく解説していきます。

共依存の人の特徴|なぜ相手を優先しすぎてしまうのか

共依存の人には、いくつか共通して見られる特徴があります。
ただし、これらの特徴は「弱さ」ではなく、多くの場合は優しさや責任感の強さから生まれているものです。

しかし、その優しさが行き過ぎてしまうと、人間関係の中で自分自身を苦しめてしまうことがあります。

共依存の人によく見られる特徴をいくつか紹介します。

相手の問題を自分の問題のように感じてしまう

共依存の人は、相手が困っていると「自分が何とかしなければ」と強く感じることがあります。
そのため、本来は相手が向き合うべき問題まで背負い込んでしまうことがあります。

相手に必要とされないと不安になる

「自分が役に立っている」「必要とされている」と感じることで安心する傾向があります。
そのため、相手を助ける役割を手放すことが難しくなることがあります。

自分の気持ちより相手を優先してしまう

相手を優先するあまり、自分の本当の気持ちを抑えてしまうことがあります。
その結果、関係の中で疲れや不満が溜まってしまうことがあります。

関係が苦しくても離れられない

関係が辛くなっても、「自分が支えなければならない」「離れたら相手が困る」と感じ、関係を続けてしまうことがあります。

こうした特徴は、恋愛関係だけでなく、夫婦関係や親子関係などさまざまな人間関係の中で現れることがあります。

共依存の原因とは?なぜ苦しい関係から離れられないのか

共依存の関係は、偶然生まれるものではありません。
その背景には、いくつかの心理的な要因が関係していると考えられています。

自己肯定感の低さ

自分自身の価値を感じにくいと、人から必要とされることで自分の存在価値を感じようとすることがあります。
その結果、相手を助ける役割に強く依存してしまうことがあります。

見捨てられることへの不安

人間関係の中で「見捨てられるかもしれない」という不安が強いと、相手に合わせすぎてしまうことがあります。

幼少期の家庭環境

子どもの頃に、家族の問題を背負う役割を担っていた場合、大人になってからも同じような人間関係のパターンを繰り返してしまうことがあります。

例えば

  • 家族の問題を自分が支えていた
  • 親の感情を気にして行動していた
  • 家庭内のバランスを取る役割だった

このような経験は、共依存的な関係の土台になることがあります。

共依存から抜け出すには?苦しい人間関係を変えるヒント

共依存の関係に気づくと、「どうすればこの関係を変えられるのだろう」と感じる人も多いと思います。

共依存は長い時間をかけて形成された関係パターンであることが多いため、すぐに変えることは難しいかもしれません。
しかし、少しずつ意識を変えていくことで、関係のあり方を見直していくことは可能です。

相手の問題と自分の問題を分けて考える

共依存の関係では、相手の問題を自分が解決しようとしてしまうことがあります。
まずは「これは誰の問題なのか」を考えることが大切です。

自分の気持ちに目を向ける

相手を優先しすぎると、自分の気持ちが分からなくなってしまうことがあります。
自分が本当はどう感じているのかを意識することが大切です。

距離の取り方を見直す

人間関係には、適切な距離があります。
共依存の関係では距離が近くなりすぎていることが多いため、少し距離を取ることで関係が変わることもあります。

共依存チェック|あなたは共依存の傾向がある?

次のような項目に、いくつ当てはまるでしょうか。

  • 相手の問題を自分が解決しなければと思う
  • 相手の機嫌や感情に強く影響される
  • 相手に必要とされないと不安になる
  • 自分の気持ちより相手を優先してしまう
  • 相手のために無理をしてしまう
  • 関係が苦しくても離れられない
  • 相手を助けることで自分の価値を感じる

これらに多く当てはまる場合、人間関係の中で共依存的なパターンが生まれている可能性があります。

ただし、これらはあくまで一つの目安です。
大切なのは、自分の人間関係を振り返り、どのような関係が自分にとって心地よいのかを考えることです。

夫婦共依存とは?離れられない夫婦関係の心理

夫婦関係の中でも、共依存の関係が生まれることがあります。

例えば

  • 相手の問題を自分が支え続けている
  • 相手に振り回されていると感じる
  • 関係が苦しいのに離れられない

このような関係が続くと、夫婦のどちらか、あるいは両方が強いストレスを抱えることがあります。

夫婦共依存の関係では、
「支える側」と「支えられる側」の役割が固定されてしまうことがよくあります。

支える側は

  • 相手を助けなければならない
  • 自分がいなければ相手はダメになる

と感じることがあります。

一方で、支えられる側は

  • 相手に頼ることが当たり前になる
  • 自分で問題に向き合う機会を失う

ことがあります。

このような関係が長く続くと、夫婦関係そのものが苦しくなってしまうことがあります。

親子共依存とは?親と距離が取れない関係の心理

親子関係は本来、子どもの成長とともに少しずつ距離が変化していくものです。
子どもが大人になるにつれて、精神的にも生活面でも自立していくことが自然な流れです。

しかし親子の関係の中には、大人になってからも距離が近すぎる状態が続き、関係が苦しくなってしまうケースがあります。
このような関係は親子共依存と呼ばれることがあります。

例えば次のような状態が見られることがあります。

  • 親の気持ちや期待を強く意識してしまう
  • 親に逆らうことに罪悪感を感じる
  • 親から離れることに不安を感じる
  • 親の問題や感情を自分が背負ってしまう

このような関係では、親子の距離が近すぎるために、自分の考えや人生を自由に選びにくくなることがあります。

親子共依存の関係では、親が子どもを精神的な支えにしてしまう場合もあれば、子どもが親の期待に応え続けようとしてしまう場合もあります。
その結果、お互いが相手に依存する関係になり、関係を見直すことが難しくなることがあります。

親子であっても、それぞれが自分の人生を大切にできる距離を持つことが大切です。

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参考文献・参考資料

  • 清水新二 編(2001) 『共依存とアディクション:心理・家族・社会』 培風館
  • 小西真理子(2019) 共依存の倫理 親をかばう子どもたち:虐待経験者の語りを聴く 現代思想 第47巻 第12号

この記事の著者

榊原カウンセラーは臨床心理士・キャリアコンサルタント・管理栄養士。日本福祉大学大学院修了(心理学修士)、名古屋学芸大学卒。公立小学校での栄養教諭を経て、現在は心理・教育・栄養の複合的な視点から支援活動を行う。日本心理学会・日本心理臨床学会会員として、心の健康や対人関係に関する情報発信・執筆にも力を注いでいる。

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