親子問題・親子関係カウンセリング

あなたは、ご両親に「愛されている」と、心から実感できていますか?
あるいは、「親は親なりに、私を愛してくれていたと思う…」と、必死に親のことを理解しようと努めてはいませんか?
親子関係や、そこから生じる心の問題を解決しないままに進む人生は、まるで背中に重い岩を背負って歩み続けるような、苦しいものとなるかもしれません。
親子に問題が生じるのには、理由があります
親と子の関係は、私たちが生まれてからずっと続いていく、最も基本的で、影響力の強い人間関係です。
しかし、もしその関係が健全でない場合には、子どもの頃、思春期、そして大人になってからも、さらには結婚して新しい家庭を築いた後にも、様々な形で、その弊害として現れてくることがあります。

それを避けるためには、幼い頃から成人期に至るまで、親子が良い関係を築かなければなりません。特に親御さん側がそれらを意識的に心掛けていただかなければ良い親子関係は望めません。
子どもが「私なんか、どうして産んだのっ!?」と激しく親に詰め寄る場面は、ドラマや映画、時として日常の家庭内でも起こり得ます。それに対して親は「親に向かってなんてことを言うのっ!」と子の頬をピシャリと叩くパターン、泣き崩れるパターン、呆然としその場で立ち竦むパターン、様々なリアクションのパターンが有るとは思いますが、いずれにしてもその場面を見た方は「なんて親不孝な子どもだろう」「親の思いも知らないで」「育てて貰った恩も知らずに」と感じる方もいることでしょう。
しかし果たしてそうでしょうか?私は全くそうは思えません。子には一切問題が無いとまでは言いませんが、やはり私には親が相当に問題だと思います。
子は親から充分な愛情を受けていたとしたら果たしてこのような発言を親に向かってする必要があるのでしょうか?誰だって、自分の生まれてきた理由を知り、何の為に生きて行くのか、を把握したいと思うに違いありません。
また、生まれて来た理由を知ると言うことは、親からの無償の愛を受けることに繋がります。では、その「生まれて来た理由」とは一体どの様な理由でしょうか?それは何にも難しい理由では無いと思います。非常にシンプルです。それは「両親が愛し合った結果」である、ということではないでしょうか。
そして両親の愛情ある夫婦仲は子が成人に達するまで継続しなければいけません。お腹の中に居る時点から、幼少期、少年少女期、思春期、成人となるまでに、いずれかの時期に両親の不仲を子が感じ取る状況にあれば、「自分は何の為に生まれて来たのか?」に対し、幾ら考えても子は答えが見出せないと思います。
夫婦関係を、子どもは敏感に感じ取っています
子どもは、親のことを見ていないようで、しっかりと見て、聞いて、感じ取っています。そのため、夫婦の不仲という現実がある中で、親から「私は子どもを愛していた」と言われても、私には理解することが難しく感じます。それは夫婦仲の悪い家庭で育った子ども達も同様な思いがありますが、それを上手に理解し整理が出来ない為に先の爆発 (何で私なんか産んだのっ!?)のように 説明無きまま衝動的かつ感情的に訴えることになります。
両親の不仲の理由は二つあります。「夫婦喧嘩」「仮面夫婦」です。しかし、もう一つの別の形の良くないものがあります。それは、子に対し全く関心を持たない「無関心」。これも子どもは「なんの為に生まれて来たのか」という気持ちを抱くことにつながり、要は自分の存在意義が生涯解らないまま生きて行くケースです。
この場合にはドラマチックに、子が親に感情をぶつける様なことは決してありません。只々、静かに人生を楽しめないまま、また感情表現も控え目に、ずーと生まれた理由、何処に向かって生きて行くのかが解らないまま生きて行くことになってしまいます。重要なことは「子は、親や環境を選べない」ということです。
現実に起きてしまったことは取り戻すことが出来ないのは紛れも無い事実ですが、せめて今現在、この時点から「何の為に生まれて来たのか」「何処に向かって生きて行くのか」を正しく理解し、自分のものとし、生きる目的、何処に向かって生きて行くのかをしっかりと構築することこそが何にも増して重要なことです。
しっかりとした自分軸を持ち人生を進めば、その人生はとても有意義であり楽しいものとなるのは必然です。
子どもの「反抗期」は、正常な成長の証です
親子問題は、家庭によって様々です。親との意見が合わないといった小さな親子問題から親から子への虐待などの深刻な親子問題もあり、また子どもの成長と共に親子間の問題の形も変化していきます。

小さな子どもを育てる親の中には「子どもを愛せない」「育児に自信がない」という悩みを持つ母も多く、慣れない子育てによりストレスを溜めてしまい、子どもに強く当たってしまう母親も多くいらっしゃいます。
そして、中学生位にもなれば大人や社会に対して反抗的になり、特に男の子は母親と距離を置くようになり、家族間のコミュニケーションが希薄になることも少なくありません。
このような時期に入ると親は「子どもが何を考えているのか分からない」「子どもが口を利いてくれない」といった悩みを抱え、戸惑いながらもそのまま放任してしまったり、逆に過度に子どもに接しようとして関係を悪化させてしまうこともしばしばあります。
また、女の子の場合も、母親を女同士として対等な存在に見るようになり、母親からの注意に反抗的になります。
このように思春期の子どもは親に反発することにより、親から自立しようとしているため「反抗期」は当然の行動ですが、子どもが必要以上に親に気を使っていたり、余りにも従順な態度をとっている場合には、親子関係に問題があります。よく問題に挙げられるのは、過保護や過干渉、親の依存です。
思春期といっても親からすればまだ子どもであるため、どうしても子ども扱いをしてしまいます。
本来、親は「子離れ」という形で、子どもと距離を取っていく必要がありますが、それが出来なければ子どもは「自立」することに戸惑いを感じてしまい、次第に親に依存するようになっていきます。そうして「親子依存(共依存)」が形成されていくことになります。
また、家庭に虐待やDV・アルコール依存症・うつ病・人格障害・不安症などの問題を抱えた人がいる場合、健全な親子関係を築くことは大変困難だと言えるでしょう。
子どもにとって完全な保護者でなければならない親がそのような家庭環境を作り出してしまっていては「機能不全家族」となり、子どもは心に傷を負い、その不安や悲しみを抱えて生きていかなければいけません。
成人してからの「親の支配」は、あってはならない
幼少期に不健全な親子関係であったにも関わらず、それに気付かないまま大人になる方が多くいらっしゃいます。「家族だから仕方ない」という理由で、自分に不利なことまで受け入れてしまう人も少なくありません。親子関係でよくあるのが、親または子と“意見があわない”という問題です。
他人と意見が合わないことは理解できるにも関わらず、特に進路や結婚について家族との意見が合わないことで悩んでいる方が多くいます。それは、親と子どもが一体化してしまい、どこか“同じでなければならない”という考えが潜んでいるからです。
親子といえども「別人格の人間」であることを理解し、お互いに自分の意見を強要することを辞めなければいけません。本来は親子と言えども意見は合わなくて当たり前なのですから。また、親に暴言を吐かれ自分自身が嫌な気分になっているのにも関わらず「親だから」という理由で流してしまう、許してしまうことがよくあります。
身近な存在だからこそ言い過ぎてしまうこともあるかもしれませんが、いくら家族と言えどそれによって自分が傷ついてしまっていては自分の精神状態が悪化するばかりです。
親が成人に達している子どもに対し依然とし「精神的支配」の親子関係・生活が当たり前となり、放置することにより、後に「うつ病」や「引きこもり」に陥ってしまうことも非常に多いのです。こういった人は、自分を過小評価しているために“自分を守ること”が出来ていないことが多く、不快なことでも無意識的に受け入れてしまいます。
自分という人間を守るために「この人はこういう性格なんだ」と親を客観的に見ることが必要になります。大人の親子問題というのは、親が問題を発生させているだけでなく、子どもも無意識的に自ら良くない親子関係に協力していることも少なくありません。
世間の目や社会の風潮などにより「親だから、子だから」という理由で益々不幸な関係を作り出しているケースも多くあります。まずは、そうのような固定概念を撤廃し、客観的に親子関係を見直すことが必要になってきます。
理想的な親子関係とは?:目指すべき姿

では、果たして、どのような親子関係が理想なのでしょうか?勿論、家族のあり方や、子どもへの教育方針など各家庭においては千差万別ですが、健全な関係を築くには、やはり子どもの成長過程において親が子どもにとっての“完全な保護者”である必要があります。完全な保護者と言ってもパーフェクトな親になれとの意味ではありません。
「子を護るという意味において保護者の責任を完全に実行してもらいたい」という意味です。
子どもを無条件に愛し、ありのままを認めることが子どもの「自己肯定感」を育み、子どもの自信に繋がっていきます。問題がある家庭では、「テストの点が良いときだけ褒める」というような条件付きの愛情を与えがちですが、そうすると子どもは、失敗する自分は親から愛されないと感じてしまいます。
「良い子」でも「悪い子」でも、子どもを全面的に受け入れるということが重要であり、その姿勢を子どもに示すことで、子どもは安心して自立へのステップを踏み出すことができるのです。
子どもに自主性が出てきた時も、親はどうしても自分の価値観や考え方を押し付けたり、心配の余りつい過保護・過干渉になってしまう傾向がありますが、ここで必要なのは、“子どもを信じてあげること”です。「子どもが自分で行動する・行動できる」ということを信じて、一歩引いたところから見守らなければなりません。
子どもに失敗をさせたくないとの気持ちは理解できますが、子どもは失敗による痛みや辛さ悲しみを通して、成長することができるのです。また、健全な親子関係に欠かせないのがコミュニケーションですが、沢山話したり聞いたりすれば良いという訳ではなく、大切なのは「コミュニケーションの仕方」です。
子どもが悪いことをすると、親はついカッとなって頭ごなしに叱ってしまうことがあります。それでは、子どもは自分の何がいけなかったかきちんと理解することができず、“自分の存在”を否定されているように感じてしまいます。
すぐに感情的に叱ってしまう前に、子どもの言い分もきちんと耳を傾けた上で、「何がいけなかったのか」を理路整然かつ手短に端的に注意することが大切です。理想的な親子関係について述べましたが、もちろん完璧な親子関係を築くことは簡単なことではありません。
誰もが仕事のストレスを抱えていたり、育児を助けてくれる人も無く、常に子どもに対し良い接し方ができないかもしれません。しかし、子どもとの関係を冷静に見直し、出来る範囲で接し方を工夫する方向へ努力すれば、必ず良い関係を築くことができます。
親子関係における、よくある問題と対処法
親が子を否定すれば、自己肯定感は育たない
本来、親とは子どもにとって無償の愛を注いでくれる存在であり、いつも心配してくれる有難い存在であることが本来であるはずなのですが、中には親から虐められたり、いたぶられるような環境にいる子どももいます。
その場合には、親自身がどうして子どもに当たってしまうのかを認識する必要がありますが、未熟なため無意識に弱い者に矛先が向いている可能性もあり、親の保護なしでは生きられない子どもにとってはとても辛い場合もあります。また、親と子は違う人間ですので、感じ方や考え方が違っている場合があっても当然です。
それを分からないと食い違いを感じ、親子が衝突することもあるでしょう。
お互いに良いと思っていることを言っているのですが、それが通じ合わない時もあると思います。親子であってもお互い自分とは違う個性ある人間なのですから、大人である親から子どものことを理解する姿勢が大切になります。また、世代間の意見の相違などがある場合、話が通じないことも大いにあることを理解し,心の準備をしておきましょう。
甘えだけでなく、「自立」した関係を作る
最終的には親も子も、親離れ子離れをし、互いに自立を目指すことになります。
子どもが小さい時には親は子どもの保護者として命の危険にさらされるような時には助けてあげることが大切ですが、最近では平気で子どもの心や身体を傷つけるような親もいるので、子どももある一定の年齢になれば親との距離を置き、自分自身の人生を歩んでいく必要があるでしょう。
親というのは本来、子どもにとってお手本となるような存在で、落ち込んでいるときには励ましてくれたり、甘えたり怠けてている時には叱ってくれたり、子どもの人間形成に重要な幼少期にタップリと一緒に過ごしてくれたりするような存在なのですが、仕事が忙し過ぎたり、理由があって父や母がどちらか不在がちであったり、夫婦仲が悪いなどの理由で、子に無関心であったりするなど、機能不全家族に陥っている可能性がある環境では、子どもは子どもながらにその状況を打破しようとするのですが、なかなか難しいこともあります。
親の資質に満たない親に育てられた結果、アダルトチルドレンとして成長し、人生にとても生きづらさを感じながら生きる事となり、親子問題や親子関係を消化出来ずに、心のしこりとして残っているケースも多く見受けられます。
親からの「愛情」を、感じられていますか?
親の発言から子どもへの愛情が感じられるでしょうか。自分本位な言葉で子どもをコントロールしようとすることや、子どもを傷つけるようなことを言っていないでしょうか。親も感情を持つ人間であるので、気分が優れない時もあるかもしれませんが、それを子どもにぶつけるのは間違っています。
また、自分のコンプレックスを解消するために、進学先や習い事やスポーツなどで子どもに自分の理想を押し付ける場合などもありますが、それも少し違うといえるでしょう。
子どもとよく話をして何を考えているのかを知ることも必要ですし、なんでもない会話をすることでコミュニケーションを重ねていくこともお互いの信頼関係を築く上で大切になってきます。
子どもとの会話は一見、なんでもないことのように感じられることもありますが、そのなんでもない会話の日々の積み重ねが、子どもの人格を形成する上でも大きくなっているのではないでしょうか。その中で批判的な物言いが多ければ、「子どももそんなものなのかな・・・」と考えて前向きな考え方ができなくなるかもしれません。
立派な親を持つと、子どもが委縮してしまうケースも
親が学校の教員や医者であったり、社長でお金持ちであったり、権威を持っていたりとすると、子どもはその親を超えることが難しく感じ、早々と戦線離脱したくなるケースも多々あります。
親は第一線で頑張ってきているので子どもに厳しいことも言いますが、子どもとしてはあの親を越えられないと思い、諦めにも似た境地でヤル気を失くしてしまう場合もあります。「親はあんなに凄いのにそれに比べて自分はなんでこんなのなのだ・・・」と感じてしまうのかもしれません。
そんな場合にも、できないことを指摘するのではなく、できることから一歩ずつ進んでいけるように見守ることも必要になってくるでしょう。当セラピーでの実感としても、親の凄さを目の当たりにし、自身と比べ自分のできなさ加減に打ちひしがれている方を多く対応しています。
学校の先生の子ども、医者の息子、社長の子ども、カウンセリングでの常連さまとも言えます。もちろん、学校の先生、医師、会社経営者の方々も来られます。皆さん親子共々なにがしかの問題を抱えて生きておられます。親子共々、本当に大変です。
親は、子どもの「SOS」を見逃さないで
親に対する子どもの反抗心は子どもが成長する過程で起こるものであり、親としてはこの成長と捉え見守っていくべきものです。そんな中でも子どもが本当に助けを求めている時に、親は子を救い助けることが出来るでしょうか。
子どもの出すSOSを見逃さずに、子どものピンチの時には見守り最悪の場合には手を差し伸べられるようにすることは非常に大切です。子どもから目を離さず、無関心にならずに子どもに接していくことは保護者である親は当然の事と自覚して頂きたいです。仕事をしていても、子どものことは忘れないで、子どものことによく気を配ることが大切です。
小さい頃の経験は、大きくなってからも覚えているものです。親はつらい時にこんなことをしてくれたな。とか、この時は助けてくれたな。とかそういう思いがあることで親に対する尊敬の念も持つようになります。親は子どもができたから親になれる訳ではなく、子どもと一緒に成長していくものでもあると考えます。
親は、子どもの「SOS」を見逃さないで
親に対する子どもの反抗心は子どもが成長する過程で起こるものであり、親としてはこの成長と捉え見守っていくべきものです。そんな中でも子どもが本当に助けを求めている時に、親は子を救い助けることが出来るでしょうか。
子どもの出すSOSを見逃さずに、子どものピンチの時には見守り最悪の場合には手を差し伸べられるようにすることは非常に大切です。子どもから目を離さず、無関心にならずに子どもに接していくことは保護者である親は当然の事と自覚して頂きたいです。仕事をしていても、子どものことは忘れないで、子どものことによく気を配ることが大切です。
小さい頃の経験は、大きくなってからも覚えているものです。親はつらい時にこんなことをしてくれたな。とか、この時は助けてくれたな。とかそういう思いがあることで親に対する尊敬の念も持つようになります。親は子どもができたから親になれる訳ではなく、子どもと一緒に成長していくものでもあると考えます。
もしかして、「親の子いじめ」になっていませんか?
親自身に余裕が無いばかりに、親の気持ちも考えず自由気ままにしている子どもを見ていじめる親も出てきます。そういう場合には、何故子どもを憎く思うのか、何故可愛く思えないのかをしっかり考えるといいでしょう。子ども以外に原因があるのかもしれません。
大人は変えることができませんが、まっさらな子どもは育て方を誤らなければ、自分の味方にもなってくれる存在です。そのような相手をいじめるのは自分にとっても不利益で決してよいことではありません。勿論子どもは生意気なことを言う存在でもありますが、そんな発言も笑ってしまう程の心の余裕が持てれば、子育ても変わっていくでしょう。
周りの人の目を気にし過ぎていることはないでしょうか。周りの人はこうしているのに自分は・・・。という感じで比較対象が他人になっていないでしょうか。考えるのは自分がどのように過ごしていくかであるので、「自分はこうだ」という軸で考える必要があるでしょう。
夫婦仲があまりよくないというのであれば、話し合う機会を作りお互いの気持ちを話し合うこともいいでしょう。一度分かり合えていた夫婦であれば、また話し合いを持つことで、打ち解けあうことも可能です。
夫婦問題が原因であれば夫婦カウンセリングなどを利用し夫婦関係の早期な改善を求めることにより、母が子へ対する余裕も生まれ大きな変化が期待出来るでしょう。
親に依存する子、子に依存する親:共依存の関係性

最近はまるで学校で一番仲の良い親友関係のような親子も多く見受けられます。一見仲が良さそうでいいのですが、ある一定の年齢になれば当然親以外の人間関係も広げていき、自分で人間関係を構築する時もやって来ます。
親はその中でも信頼できる存在であるべきなのですが、何かあった時にも直ぐに手を差し伸べてしまうことが多ければ過保護となり、本人の自立心を妨げることにもなり注意が必要です。一度外に出た場合にはそっと見守って本人がどのように動くのかをしっかりと見守ることも必要になります。
子どもは、何か困ったらすぐ親に助けてもらう経験を繰り返すことで、自ら積極的に交友関係を広げたり、自発的に考えて行動することができなくなってしまいます。そのような様子を見て親は「私がいないと何もできない子ね」と、親と子がお互い依存対象になり、負のスパイラルが続いてしまいます。
勿論、子どもから助けて欲しいという要請があった時には助けてあげることも大切でしょう。しかし節度をもって、子どもの人間関係などに入り込み過ぎないように遠目で見守ることも必要です。また、親は子どもを自分の意のままに動かそうとしたり、ストレスのはけ口にしたりすることはやめましょう。
いつも側にいる相手で、接することの多い存在でもある子どもですが、子どもにも心があり、自分の意思もあることをしっかりと知る必要があるでしょう。親子関係に悩んでおられる場合には、一度カウンセリングなどを利用し心のモヤモヤと向き合うことも効果的かも知れません。
自分の心の奥にある納得できない感情などを一度整理整頓をすることをお勧めします。
母親から苛立ちをぶつけられてきたUさんのケース(事例紹介)
Uさんは、お母さんとの関係で深く悩んでいらっしゃいました。その母親は、Uさんが傷つくようなことや自信を失くすようなことを日頃から平気で言うのです。
Uさんは、物心が付き始めた頃から社会人となり、十数年経過する今日に至るまで、母親からそのような扱いを受けていた為に、日常の人間関係において人の顔色を伺い、人の目を酷く気にするようになり、人と関わることで常に不安と緊張を覚えるようになってしまいました。
自分の感情を幼少期の頃から抑圧し我慢することが当然になっていたUさんは、自分を出せない、人が怖い、対人関係に不安や緊張感を持ち、感情のコントロールが出来ないなど様々な悩みを抱えカウンセリングを受けに来られました。
心理テスト・心理カウンセリングにより十分にお話を伺い問題点を整理し、心理療法により、幼少の頃からUさんの心の奥底に凝り固まっていた母親から受け続けた悪い暗示のトラウマを取り除き、考え方の土台を再構築することでUさんはやがて母親からの呪縛が次第に解け、心身共に健康を取り戻していきました。
「人に翻弄されることなく、自分らしく自分の人生を歩んでいきたい」とのUさんの願いは達成され、今では人との出会いに喜びを感じていると共に、母親に対して臆することも無くなり、自分の主張もしっかりされているようです。
母親には夫の関係が良くなく自分の娘にその苛立ちをぶつけていたのを反省して頂き、Uさんに母親として謝罪をして頂いたようで、今ではごく普通に親子の会話が出来るようにまで関係は回復されました。
健全な親子関係への改善に向けて:あなたにできること
当然のことながら、子どもは親に育てられているために、親の価値観や考え方や親の気分によっても多くの影響を受けて育ちます。子どもとの親子問題に悩まれる方の多くが「どうしてあんな風になってしまったのだろう」と考えてしまいますが、そこには「親自身の間違った考え方」や「不健全な親子関係」が必ずその背景にあります。
「自分の躾(しつけ)が悪かった」と嘆くのではなく、問題と向き合い、先ず親が考え方を変えることで、健全な親子関係を取り戻すことが出来ます。また、大人になっても親との葛藤を抱え続け、そこから抜け出せない人も、客観的に状況を見つめることで親のための人生ではなく自分の人生を歩むことが可能です。
聖心こころセラピーでは、そういった親子問題を解決し、バランスの良い親子関係を築いていけるよういつでもお手伝いさせて頂きます。
親子問題・親子関係の心理テスト
参考文献・参考資料
- 西村和雄・八木匡(2019) 子育てのあり方と親子関係−日本における実証研究− 神戸大学経済経営研究所
- 戸田まり(2009) 親子関係研究の視座 教育心理学年報 第48集