緊張・あがり症カウンセリング

「緊張」とは、突き詰めて考えれば「対人緊張」と言えるかもしれません。つまり、そこに「人」がいなければ、緊張という感情は生まれないのです。これは、緊張が人間関係と深く結びついていることを示唆しています。
緊張しやすい背景には、自己肯定感の低さや自己否定感、物事の捉え方の柔軟性の問題などが隠れていることがあります。
緊張やそれに伴う身体の反応(あがり、赤面、震えなど)を過度に意識せず、自然に受け止められるような、しなやかな思考を身につけていくことで、過剰な緊張から解放されることは可能です。
緊張・あがり症・赤面症・吃音・手の震え… あなたの悩みは何ですか?
「緊張する…」その経験、ありませんか?

大切な会議やプレゼンテーション、結婚式でのスピーチ、就職活動での面接、ピアノの発表会、スポーツの試合前…。
そんな場面で緊張してしまい、声が上ずったり、手が震えたり、言葉に詰まったり、顔が赤くなったり…。その結果、本来の実力を発揮できなかった、という経験は、多くの方がお持ちなのではないでしょうか。
しかし、そもそも緊張すること自体は、誰にでも起こる自然な反応です。そして、適度な緊張感は、集中力を高め、良いパフォーマンスを発揮するために、むしろ必要なものでもあります。
問題なのは、緊張する自分自身を受け入れられないことです。
緊張する場面を避けようとしたり、緊張感を無理に抑え込もうとしたり、場合によっては「緊張なんかに負けるもんか!」と緊張と闘ってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、そうした態度は、かえって緊張の悪循環(負のサイクル)にはまってしまう原因となります。
そして、緊張する場面が近づくたびに強い不安に襲われ、夜も眠れなくなってしまう…という方も少なくありません。
「あの時、緊張さえしなければ、もっと上手くできたのに…」
そう悔しい思いをすることも、一度や二度ではないかもしれませんね。
緊張は悪いもの? 捉え方を変えてみませんか

そもそも「緊張」とは、私たち人間に備わっている自己防衛本能の一つであり、危険から身を守ったり、大切な場面に備えたりするために、生きていく上で必要な感情なのです。
しかし、多くの人は、緊張に伴う不快な身体症状(動悸、発汗、震えなど)から、「緊張は悪いものだ」「避けたいものだ」と考えてしまいがちです。
そして、「この緊張さえなければ…」という思いから、新しいことにチャレンジするのをためらったり、人前に出る機会を避けたりして、自ら可能性を狭めてしまうことも少なくありません。
緊張の度合いは人それぞれで、場面によっても異なります。
少しドキドキする程度の軽い緊張から、頭が真っ白になって何も考えられなくなるほどの極度の緊張まで、様々です。
適度な緊張は、私たちのパフォーマンスを高める良い効果をもたらしますが、極度の緊張は、時に大きな失敗を招き、それがトラウマとなって、似たような場面が訪れるたびに、私たちに苦痛をもたらすことになります。
私たちが過度に緊張してしまう背景には、ほぼ必ずと言っていいほど、他者に対する強い恐れや不安の感情が隠れています。
「緊張していることを、周りの人に悟られたくない」
「緊張するなんて、恥ずかしいことだ」
そうした思いが強くなると、緊張は極限状態に達し、「あがり症」や「赤面症」といった状態を通り越して、手足の震え、過剰な発汗、吃音(どもり)、体の硬直(イップス)など、深刻な「対人緊張」の症状を引き起こしてしまうことがあります。
緊張の正体:「対人緊張」とその様々な現れ方
対人緊張とは、社交不安傾向の一種であり、社交不安症(Social Anxiety Disorder)に該当する場合もあります。程度によっては日常生活や仕事に支障をきたすこともあります
例えば、初対面の人と会う時や、人前でスピーチをする時など、特定の状況において、「相手は自分のことをどう思っているのだろうか」「どう評価されているのだろうか」といった考えが自動的に浮かび、極端な不安や緊張状態に陥ってしまうことを指します。
この症状に悩んでいる方は、大勢の前だけでなく、時には家族や親しい友人の前でさえも、緊張による様々な症状が現れてしまうことがあります。
対人緊張がひどくなると、「人の視線が怖い」と感じる視線恐怖に陥るなど、心の問題だけでなく、身体にもはっきりとした反応が現れるようになります。視線恐怖や発汗恐怖といった症状は、社交不安症の一形態とされ、日本では対人恐怖の一部として扱われることもあります。
それには、次のような様々な形があります。
1.あがり症
特に体に異常がないにも関わらず、人前に出ると、心臓がドキドキと激しくなったり、冷や汗をかいたり、言葉がスムーズに出てこなくなったりする現象です。
あがり症は、過去の失敗体験が強く印象に残り、それが不安の引き金になり、似たような状況になると、「また失敗したらどうしよう」という強い予期不安から、自ら緊張状態を悪化させてしまうことが多いと言われています。
2.赤面症
人前で顔が赤くなってしまうことを極度に恐れるあまり、かえってそのことへの意識が高まりすぎ、実際に顔が赤らんでしまう状態を指します。
赤面症の方は、「人前で顔が赤くなるのはみっともないことだ」と強く思い込み、悩んでしまうため、人と会ったり話したりすること自体が苦痛になり、人間関係を避けてしまう傾向があります。
赤面症は、真面目で几帳面な性格の方に多く見られると言われています。些細なことであっても、ご本人が「人から変に思われるのではないか」などと深刻に考えすぎてしまうため、症状がより重症化しやすい傾向があります。
幼少期や思春期に、赤面したことでからかわれたり、馬鹿にされたりした経験が強く印象に残り、それが不安の引き金となっている場合も少なくありません。
また、親から赤面することを指摘されたことが、発症のきっかけとなるケースも多く見られます。
3.「吃音」または「発話の流暢性の障害」
「吃音(きつおん)」または「発話の流暢性の障害」とは、言葉を発する際に、特定の音を繰り返してしまったり(例:「あ、あ、ありがとう」)、最初の音が出にくく詰まってしまったり(例:「・・・・・ありがとう」)、言葉が伸びてしまったり(例:「あーーりがとう」)するなど、言葉を円滑に話すことが難しい症状を言います。「どもり」とも呼ばれます。
人前で話す時に吃音が出てしまう方の多くは、「上手く話さなければいけない」「分かりやすく、流暢に話さなければいけない」といった過剰なプレッシャーを、無意識のうちに自分自身にかけていることが多いようです。
そして、「しっかり話そう」と思えば思うほど、かえって緊張が増し、吃音がひどくなってしまう、という悪循環に陥りがちです。
実際には、周りの人が気にするほど吃音が出ていないにも関わらず、ご本人が過度に気にしすぎている、というケースも少なくありません。しかし、ご本人にとっては、この上なく深刻で、「吃音が治らなければ、自分は前に進めない」と感じるほど、切実な悩みとなります。
4.手足の震え
人間は緊張を感じると、自律神経のうち「交感神経」が活発になります。その影響で、手足の震えや冷えといった症状が起こりやすくなります。
誰でも強い緊張を感じた時には、多少なりとも経験したことがある症状かもしれません。しかし、「手足が震えているのを人に見られるのは、非常に恥ずかしい」「緊張していることで、気が弱いヤツだと馬鹿にされるのは耐えられない」といった強い否定的な感情を持つと、それがかえって交感神経をさらに刺激し、震えを増幅させてしまいます。そして、自分の意志だけでは、その震えを抑えることができなくなってしまうのです。
そうなると、緊張する場面が近づくたびに、「また震えてしまうのではないか」という恐怖(予期不安)に襲われ、その場面から逃れたいという気持ちが強くなり、食事が喉を通らなくなるほど思い悩んでしまう…という、非常につらい状態に陥ります。
5.緊張性多汗症・精神性多汗症(手汗・発汗)
人前で緊張を感じると、「手、足、脇、背中、頭」など、特定の部位に異常なほど大量の汗をかいてしまう症状です。
「発汗恐怖症」「局所多汗症」などとも呼ばれます。汗をかく場所は、手のひら、脇の下、背中、足の裏など、人によって様々です。
「こんなに汗をかくのは異常だ」「普通ではない」と強く思い込み、必死に汗を抑えようとすればするほど、かえって意識が集中し、余計に症状がひどくなる傾向があります。
特に手汗を気にしすぎるあまり、異性と手をつなぐことを恐れ、恋愛に踏み切れない、といった悩みを抱えて相談に来られる方もいらっしゃいます。「これさえなければ…」と、ご本人にしか分からない、深刻な悩みとなっているのです。
6.イップス・身体の硬直
「イップス」という言葉は、元々はゴルフの世界で使われ始めたものです。アメリカのプロゴルファーが、簡単なパット(短い距離のパッティング)の際に、極端に短い距離しか打てなかったり、逆にカップをはるかにオーバーしてしまったり、といった不可解なミスを繰り返し、それが原因でトーナメントを引退せざるを得なくなったことから、この現象が「イップス」と呼ばれるようになりました。
現在では、ゴルフに限らず、野球(送球イップスなど)やテニスなどの様々なスポーツにおいて、プレッシャーのかかる場面で、普段通りの動作ができなくなってしまう極度の緊張状態を指す言葉として広く使われています。プロの世界でも決して珍しいことではありません。
これは、単に「緊張して上手くプレーできない」というレベルではなく、過去の失敗体験などが引き金となり、似たような場面になると、体が意図しない動きをしてしまったり、固まって動かなくなってしまったりする状態です。
完璧主義であったり、人の評価を過度に気にしたりする性格の方に多いと言われていますが、加齢による脳機能の変化が関わっている可能性も指摘されています。
極度の緊張状態になると、一時的に身体が硬直することがあります。これは、危険を感じた際に脳がノルアドレナリンという神経伝達物質を過剰に分泌し、交感神経を活性化させることで、筋肉が収縮するために起こる、一種の防衛反応と考えられます。
つまり、無意識のうちに身体を動けなくすることで、その緊張を引き起こす行為そのものを拒否している状態、とも言えるでしょう。同時に、呼吸も浅くなりやすく、それがさらに緊張感を高めてしまう、という側面もあります。
緊張症の根本原因:何があなたを緊張させるのか?

上記で述べた「対人緊張」「あがり症」「赤面症」「吃音」「発汗」「震え」「イップス」「身体の硬直」といった様々な緊張状態は、表面的には「人に低く見られるのではないか」「失敗して恥をかきたくない」という、現在の状況に対する恐れから生じているように見えます。
また、「以前も緊張で失敗したのだから、今回もダメかもしれない」という、過去のつらい体験に基づく恐怖も、大きく影響しています。
しかし、これらの症状の本当の根本原因を掘り下げていくと、多くの場合、あなたが育ってきた家庭環境の中で経験したことや、そこで身につけた感情のパターン、思考の癖などが、現在の対人関係における恐怖心を強めている、というケースが非常に多いのです。
例えば、厳しいしつけを受けて育ったり、家庭の中に安心感がなかったりすると、子どもは慢性的に不安や緊張感を抱きやすくなります。
特に、教育熱心な親御さんは、我が子を「良い子」に育てようとするあまり、子どもを習い事などで過度に追い立てたり、失敗を極端に恐れて先回りして指示したりしがちです。
子どもは親の期待に応えようと一生懸命頑張りますが、次第に「良い子でなければ、親に見放されてしまうのではないか」「失敗したら、ひどく怒られてしまう」といった不安や恐れを抱くようになります。
その結果、本人の中に「失敗は絶対に許されないことだ」という強い思い込み(思考パターン)が、深く刻み込まれてしまうのです。
このようにして、自分を自由に表現することや、失敗することを「いけないこと」だと心の奥底で思い込んでしまった人は、大人になってからも、他人の評価を必要以上に気にしてしまい、自ら緊張感を高めてしまうようになるのです。
過去の強く印象に残る失敗体験が、対人関係をさらに困難にする
初対面や目上の人との会話で緊張してしまう
新しい、初対面の人と話す時に緊張してしまうのは、誰にでもあることです。
適度な緊張感や不安感は、相手に失礼がないように、より良いコミュニケーションを取ろうとするための自然な感情であり、そのために事前に準備をしたり、言葉を選んだりする、という努力にもつながります。
しかし、必要以上に不安や緊張を感じてしまうと、心が不安定になり、「失敗してしまうのではないか」という予期不安にかられてしまいます。
その不安を解消するために、事前に話す内容を何度も練習したり、完璧な準備をしようとしたりするかもしれません。しかし、もし過去に人前で話して失敗した経験などが強く印象に残り、それが不安の引き金になっていると、練習すればするほど、かえって「失敗したらどうしよう」という思いが強まり、さらに緊張してしまう、という悪循環に陥ることもあります。
また、目上の人や、自分より知識や経験が豊富だと感じる人と話をする時に、特に緊張してしまう、という方もいらっしゃるでしょう。
「何か難しいことを聞かれて、答えられなかったらどうしよう」「馬鹿にされるのではないか」といった不安が湧き上がり、場合によっては、肩が凝ったり、体が硬くなったりすることもあります。
緊張を和らげる第一歩:状況を客観的に見てみる
会議の場や、初対面の人と話す場面で緊張しやすいのは、その場の状況や相手の反応が予測できないために、不安を感じやすいからです。
初対面の場合は、相手がどんな人なのか分かりませんし、会議でも、どんな質問が飛び出すか分からない、答えられなかったらどうしよう…と考えすぎてしまい、怖くなって、そうした場面を避けてしまう、というケースもあります。
少しでも緊張を和らげるためには、まず状況を客観的に捉える練習をしてみましょう。
初対面の人と話す場合には、可能であれば、事前に相手に関する情報を少し調べておくと、安心材料になるかもしれません。あるいは、会話の中で相手のことをよく観察し、理解しようと努めるのも良いでしょう。相手がどんな人物なのかを少しでも知ることができれば、緊張状態も緩和される可能性があります。
また、習い事の発表会など、特定の場面で極度に緊張してしまう、というケースも多くあります。
前述の通り、緊張自体は悪いことではありません。しかし、そこで大きな失敗をした経験などがあると、それが不安の引き金となり、似たような場面を避けるようになってしまうこともあります。
もし、過去の失敗体験が強く印象に残り、それが不安の引き金になっていると感じる場合は、それと向き合い、乗り越えていくためのアプローチが必要になるかもしれません。
そして、少しずつでも「失敗しても大丈夫。とりあえずやってみよう」という気持ちで、苦手な場面にチャレンジしてみる、という姿勢を持つことも大切です。もちろん、それは簡単なことではありませんが、少しずつ成功体験を積み重ねていくことで、自信を取り戻していくことができます。
特定の相手にだけ、強く緊張してしまう場合
厳格な父親、気難しい上司、威圧的な先輩など、特定の相手に対してだけ、特に強く緊張してしまう、という場合もよくあります。
相手の性格や機嫌を理解し、それに合わせて対応しようと努力していても、些細なことで機嫌を損ねてしまったり、あるいは、ただ単に相手の機嫌が悪かっただけなのに、理不尽に怒られたり…といった経験があると、その相手に対して強い苦手意識や恐怖心を抱いてしまうのも無理はありません。
それは、もちろん、あなたの側に何か原因がある場合もありますが、実際には、相手側の問題(機嫌、性格、価値観など)であることも少なくありません。
常に相手の顔色をうかがい、ビクビクしながら接することは、あなた自身の心身にとって非常によくない影響を与えます。ですから、時にはその相手との関わり方を見直し、意識的に距離を置く、という選択も必要です。
無理に合わせようとするのではなく、少し距離を置いて付き合うことで、緊張感が和らぎ、精神的に落ち着くことができるケースも多いのです。完全に避けることが難しい場合でも、関わる頻度や時間を減らすだけでも、効果があるかもしれません。
緊張を乗り越えるための具体的なステップ
場数を踏む:少しずつ慣れていく環境を作る
学校の授業での発表や、会社でのプレゼンテーションなど、人前で話す機会に強い緊張を感じる場合、その緊張を克服するためには、「慣れ」も重要な要素となります。
最初は誰でも緊張するものです。しかし、少しずつ経験を積み重ねていくことで、次第にその場の雰囲気に慣れ、落ち着いて話せるようになっていきます。
学校での発表などは、学習内容を深める良い機会であると同時に、人前で自分の考えを表現する練習の場でもあります。「みんなの前で恥をかきたくない」という気持ちが、勉強への意欲につながることもあります。ですから、苦手だからといって逃げずに、まずは発表の場に臨んでみることも大切です。
失敗しても大丈夫。その経験が、次への糧となります。場数を踏むことで、次第に緊張感が和らいでくる場合が多いのです。
発表の機会を、自分を成長させるチャンスと捉え、「失敗してもいいから、まずはやってみよう」という気持ちで取り組めると良いですね。
もちろん、失敗を避けるために、事前にしっかりと準備をすることも大切です。資料を丁寧に作り込んだり、話す内容を練習したりすることで、自信を持って臨むことができます。
もし、大勢の前で話すのがどうしても苦手な場合は、まずは少人数の前で話すことから始めてみましょう。例えば、信頼できる先輩や同僚に、練習として聞いてもらうのも良い方法です。
「難しい」「できない」と最初から諦めてしまうのではなく、できないなりにも、少しずつ発表の機会を重ねていく。そうすることで、緊張に対する理解が深まり、「慣れ」も生じて、だんだんと発表が怖くなくなっていくものです。
お客さんや義両親など、特定の状況での緊張
主婦の方の中には、自宅にお客さんを招いた時や、義理の両親に会う時などに、特に緊張してしまう、という方もいらっしゃいます。
パートナーの実家を訪問する際などは、やはり気を遣いますし、「何か失礼なことをしてしまわないか」「変に思われないか」といった不安を感じるのも自然なことです。もし、あなたがそのような状況で過度に緊張してしまう場合、パートナー(夫や妻)は、その気持ちに寄り添い、サポートしてあげることが大切でしょう。
来客や近所の方への対応に緊張してしまう、というケースもあります。「何か非常識なことを言っていないだろうか」と気になったり、顔を合わせるだけでドキドキしてしまったり…。
しかし、基本的な挨拶などをきちんと行っていれば、それほど悪い印象を与えることはないはずです。あまり気にしすぎず、「挨拶はしっかり、あとは自然体で」と割り切って過ごすことも、時には必要かもしれません。
イメージコントロールで、心の準備を
緊張感を和らげるために、「イメージコントロール」や「イメージトレーニング」といった手法を活用するのも効果的です。
例えば、プレゼンテーションの前に、「こういう質問が来たら、このように答えよう」と、様々な場面を想定し、それに対する対応を頭の中でシミュレーションしておくのです。
発表する内容を事前にしっかりと確認し、自信を持って話せるように練習しておくことも、もちろん重要です。
学校の授業などで当てられるのが不安な場合は、事前にしっかりと予習をしておくことが、一番の安心材料になります。
それでも、準備不足でうまく答えられず、恥ずかしい思いをしてしまうこともあるかもしれません。でも、それは失敗ではありません。その経験を糧として、「次は同じ失敗を繰り返さないように、もっとしっかり準備しよう」と前向きに捉え、次につなげていくことが大切です。失敗から学ぶことは多い、と心得て、具体的な対策を立てていきましょう。
分からないことがある場合は、事前に周りの人に聞いておくことも大切です。理解できないまま本番を迎えるのではなく、疑問点を解消し、できる限り万全の態勢で臨めるように努めましょう。
緊張しやすい性格と、どう向き合うか
どんなにきちんと準備をしていても、もともと不安を感じやすい性格のために、「やっぱり上手くいかないのではないか…」と考えてしまい、動悸が激しくなったり、ドキドキが止まらなくなったりする、というケースもあります。
準備をしていても、予期しない質問が飛んでくることもありますし、想定外の事態が起こることもあります。
そんな時には、パニックになってオロオロしてしまうのではなく、「申し訳ありません、その点については分かりかねます」と、正直に、はっきりと伝える勇気も必要です。
分からないことを、「恥ずかしい」「みっともない」と感じてしまうかもしれませんが、そこで萎縮してしまうのではなく、「後ほどしっかり調べて、改めてご報告します」などと、物怖じせず、堂々と相手に伝えることができるメンタルの強さも、時には必要になります。
もし、あなたが子どもの頃から不安を感じやすい性格で、どんなに完璧に準備をしても安心できず、ちょっとした失敗でもひどく落ち込んでしまう…という傾向があるなら、その性格自体を否定する必要はありません。
もちろん、次に失敗しないように対策を立てることは大切ですが、必要以上に自分を責めたり、落ち込んだりせず、「次にどう活かすか」という視点で、前向きに取り組むことが大切です。
周りの人は、あなたが思っているほど、あなたのことを見ていない場合も多いものです。「失敗したらどうしよう」と過度に心配するよりも、「成功するように、できる限りの準備はした。あとは、想定外のことが起きても仕方ない」くらいの、ある種の開き直りとも言える心構えを持つことも、時には必要になるでしょう。
…とは言っても、緊張の苦しみは、ご本人にしか分からないつらさがありますよね。
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私たちは、極度の緊張感からの解放や改善に関して、豊富な経験と実績を持っています。
緊張症・あがり症・赤面・吃音・手の震えの克服に向けて
本来、緊張も失敗も、私たちの人生においては、成長のきっかけとなる、必要不可欠な要素です。
逆説的ですが、「緊張してしまう自分」をありのままに受け入れることができた時、私たちは過剰な緊張から解放されるのかもしれません。
でも、「頭では分かっているけど、それができないから困っているんだ…」というのが、正直な気持ちですよね。
名古屋聖心こころセラピーの心理療法では、あなたの考え方をより楽で、しなやかな方向へと切り替えていくための、コーチングやメンタルトレーニングなども取り入れています。
そうすることで、あなた自身を苦しめている様々な症状や、ネガティブな思考パターンを落ち着かせ、現状をありのままに受け入れられるような、心の土台を築いていくことを目指します。
その結果、自分自身や、他者との関係にも自信が持てるようになり、様々な身体症状や、過剰な対人緊張からも解放され、人前に出てもリラックスして、楽しく、堂々と振る舞えるようになることは、決して難しいことではありません。
私たちは、あなたが緊張を克服するための対策を、十分に心得ています。
一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献・参考資料
- 岡田尊司(2012)『社交不安障害 理解と改善のためのプログラム』 幻冬舎新書
- 藤田結子・小野久江(2014) 大学生の『あがり症』における社交不安傾向に対する対人関係カウンセリングの効果について 関西学院大学心理科学研究 40号