摂食症カウンセリング

摂食症(摂食障害)には、時に命の危険も伴う「神経性やせ症(拒食症)」や、食べる量のコントロールが難しくなってしまう「神経性過食症(過食症)」があります。神経性やせ症の背景には、ご自身に対して厳しい自己評価や否定的な認知が隠れていることがあり、一部の方では、リストカットなどの自傷行為と似た心理的なメカニズムが見られることもあります。拒食症も過食症も、その背景には必ず原因があり、そして適切な対策があります。
摂食症(摂食障害)とは
「どうして、私はこんなにたくさん食べてしまうんだろう…?」
過食に悩む方の中には、ご自身でもその原因がよく分からない、という方も少なくありませんね。「ストレスが溜まると、どうしても食べ過ぎてしまうんです」というように、ある程度自覚されている方もいらっしゃいます。しかし、たとえ自覚があったとしても、その根本的な原因まで深く理解されている方は、実は少ないのかもしれません。

当セラピーでカウンセリングを進める中で、多くの方が「えっ?そんなことが過食に関係あるんですか?」と驚かれることがあります。
しかし、ご自身の心の奥にある原因に目を向け、丁寧に取り組んでいくことで、ほとんどの場合、摂食症の症状は少しずつ落ち着きを見せていくものですよ。
ドカ食いや、つい間食が多くなってしまうご自身に対して、「なんて意志が弱いんだろう」「だらしない自分だ」と感じ、自己嫌悪に陥って苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。過食してしまったことへの強い罪悪感から、指を喉に突っ込んで無理やり吐き戻そうとしてしまう… そんな方も少なくありません。
無理に嘔吐することは、体へ大きな負担をかけます。また、強い酸性の胃液によって喉が荒れてしまったり、歯が溶けてしまったりと、心だけでなく体も傷つけてしまうことになります。食べては吐き、吐いてはまた食べる、という「過食嘔吐」を繰り返してしまうことは、ご自身を大切にできていない、ある種の自傷行為とも言えるかもしれませんね。
摂食症の原因と克服への道筋
過食と拒食。一見すると正反対の問題に見えますが、そのどちらも、根本的な原因は共通していることが多いのです。背景には、心にかかるストレスや、あなたが子ども時代や思春期を過ごした家庭環境、親御さんとの関係性における誤解やすれ違い、あるいは「もっと愛されたかった」という満たされない気持ち(愛情への枯渇感)などが、深く影響していると考えられます。
原因の解明と心理療法
過食や拒食といった行動が始まってしまった背景には、そのような「原因」が必ず隠れているということです。名古屋聖心こころセラピーでは、まずカウンセリングを通して、あなたと一緒にその「原因」を丁寧に探っていきます。そして、心理療法を用いて、その原因となっている心のわだかまりを取り除いていくお手伝いをします。
過食や拒食という行動は、あなたの心の中にある何らかの問題が、形を変えて表面に現れた「結果」に過ぎないのかもしれません。心の奥深くに潜んでいる「原因」にアプローチし、それを解決していくことができれば、過食や拒食という症状(現象)も、自然と収まっていくことが期待できます。
本来、食事は私たちにとって喜びであり、エネルギーの源です。あなたが再び食事を心から楽しみ、ご自身の人生をもっと豊かに生きていけるように、聖心こころセラピーでは、カウンセリングを通して様々な角度から原因を明らかにし、あなたに合った方法で対処していきます。
ストレス解消のはずが、新たなストレスを生む悪循環
人によっては、何かやるべきことがあったり、ストレスを感じたりした時に、食べることでそのストレスを解消しようとする行動パターンが見られることがあります。何かを食べると、脳内で快感物質が放出されることもあり、一時的にストレスを忘れられるような感覚になるのかもしれません。
しかし、食べ過ぎてしまったことへの罪悪感が湧き起こり、そんな自分を嫌悪するあまり、今度は「全く食べない」という極端な行動に走ってしまうこともあります。美味しいものを食べるという行為は、本来とても楽しいはずなのに、心のどこかで罪悪感やイライラを抱えながら食べてしまうのは、とても残念なことですよね。
過食嘔吐のリスク
一方で、「太りたくない」という強い思いがあり、食べたことを帳消しにするために吐いてしまう…。そうなってしまうと、常に過食と嘔吐を繰り返し、胃酸によって歯や喉がダメージを受け、体も心もボロボロになっていってしまいます。そうならないためにも、ご自身のストレスのサインに気づき、食べる以外の適切な対処法を見つけていくことが大切です。
摂食症はコントロールできるようになります
カウンセリングを通して、ご自身の心の奥にあるストレスや不安の原因を理解し(認知し)、その考え方や捉え方を少しずつ変えていくことで、心理的なストレスが軽減され、過食の衝動が収まっていくことがあります。
あなたにも、充実していて心が満たされていると感じる時には、自然と過食的な行動が収まっている、という経験はありませんか?
「今日はいい一日だったな」と思える日は、きっと、適度な量の食事を美味しくいただき、心地よく体を動かせた日ではないでしょうか。そういった心穏やかに過ごせる日が増えていくことで、過食への強い欲求は次第に薄れていくものです。心のあり方を変えていくことで、過食と拒食を繰り返す苦しい日々から抜け出すことができるでしょう。

カウンセリングで取り組む内容は、一見すると摂食症とは何の関係もないように思えるかもしれません。しかし、あなたの中に隠れている心理的なストレスが、過食や拒食の引き金になっている可能性は、非常に高いのです。
摂食症と人間関係は深く関わっている
摂食症(摂食障害)は、中学生や高校生といった思春期に発症することが多いと言われています。その原因としては、親子関係や家庭内の問題などが挙げられることが多いですが、根本には、ご自身の心の中に何か満たされない思いがあり、それを埋め合わせるための代償行為として、「食べる(あるいは食べない)」という行動を選んでしまっている場合があります。
親子関係や家庭環境の影響
小さい頃に両親が忙しくてあまり構ってもらえなかった、あるいは「お姉ちゃんだから(お兄ちゃんだから)」と言われ、母親に十分に甘えることができなかった、といった経験が影響していることもあります。また、ご家族からすれば何気ない一言であっても、感受性が豊かなお子さんの場合には、深く傷ついてしまうこともあるでしょう。
容姿や性格の影響
自分の容姿が気になり始める年頃、特に女性の場合は「綺麗でいたい」という思いが強いものです。その点で、誰かにからかわれたり、心無いことを言われたりした経験が、心の傷として残り、摂食行動に影響を与えている可能性もあります。
また、ご本人の性格が完璧主義で、常に親の期待に応えようと無理をしていたり、「期待に応えられない自分はダメな人間だ」「見捨てられてしまうのではないか」と感じていたりすることも、大きなストレスとなります。知らず知らずのうちにご自身に降りかかってくるストレスが、摂食症という形でSOSを発しているのかもしれませんね。
思うようにいかない現実と過食
成績が思うように伸びなかったり、目標としていた結果が出せなかったり…。何か自分の中でうまくいかないこと、満足できないことがあると、その不安や不満を紛らわすために、摂食症に陥ってしまうケースもあります。
また、ご家庭内で、親御さんから服装や髪型、交友関係などについて厳しく干渉されたり、咎められたりすることがストレスとなり、過食や拒食につながるケースもあります。
食べることによって問題そのものが解決するわけではありません。しかし、ストレスを解消する手段として、無意識のうちに「食べる」ことを選んでしまっているのでしょう。その場合には、まず、そのように考えてしまう思考の癖を少しずつ変えていくことが必要になります。考え方を変え、ストレスを上手に受け流せるようになっていくことで、摂食症の頻度や程度も変わってくることが期待できます。
ご自身だけで考え方を変えるのが難しいと感じる場合には、カウンセリングなどを利用して、ご自身の気持ちを安心して話し、どう考えれば心が楽になるのかについて、専門家と一緒に考えてみるのも良い方法です。リラックスした状態で、ご自身の心に寄り添った考え方ができるようになることで、心が解きほぐされ、過食の衝動が収まってくることもあります。
摂食症の改善には、自分の心と向き合うこと
摂食症を改善したい、と本気で思うのであれば、コーチングやカウンセリングを通して、「どのように考えれば、もっと楽に生きられるのか」を学んでみませんか?「今まではこう考えて苦しかったけれど、こんな風に考えてみたらいいのか」「そういう捉え方をすれば、心が軽くなるんだな」というような、新しい考え方を身につけられるように、一緒に取り組んでいきましょう。
「できない自分」や「完璧にこなせない自分」を責めるのではなく、「何事も、完璧でなくてもいいんだ」「程々でも大丈夫なんだ」ということを知るだけでも、心が楽になれることがあります。
周囲の影響と自分軸
ただ、理屈では分かっていても、なかなか実践するのが難しいのが現実ですよね。周りにいる親御さんやご友人が、非常に上昇志向が強かったりすると、その中でマイペースでいることが難しく感じられる場合もあるかもしれません。
そういう場合にも、周りの価値観に振り回されず、しっかりと「自分軸」を持てるように、カウンセリングなどを通して、ご自身の心と丁寧に向き合ってみましょう。ご自身が心から「そうだな」と思えるようになるまでは、周りから色々と言われても、なかなか腑に落ちず、ただ苦しいと感じてしまうこともあるかもしれません。
外見至上主義の罠
世の中には、「痩せていることが美しい」「痩せている方が魅力的だ」といった風潮が根強くあります。痩せることで人から褒められたり、認められたりする経験をすると、さらに痩せたいという気持ちに拍車がかかることもあります。しかし、思うように体重が減らなかったり、体型が変わらなかったりすると、そんな自分に対する劣等感が刺激され、心のバランスが崩れ、摂食症の悪循環にはまり込み、抜け出せなくなってしまうのです。こうした価値観は、メディアやSNSなどの影響を強く受けており、特に思春期の若者に大きな心理的圧力を与えることがあります。摂食症の回復には、外見による自己評価から離れ、内面的な価値を再発見していくプロセスが大切です。
ストレスの原因と問題に正面から取り組む
摂食症を治していくためには、あなたの中にあるストレスと「食事」という行為を結びつけて考えてしまう癖を切り離していくことが必要になります。
負のサイクルを断ち切る
心の中にモヤモヤとしたストレスを抱えているけれど、それをうまく解消する方法が見つからない…。その結果、食べることでストレスを発散しようとすると、過食傾向になります。しかし同時に、「太るのが怖い」「太ることは絶対に嫌だ」という強い感情が働き、食べたものを吐き戻したり、下剤を乱用したりして、体から排出しようとしてしまいます。このような負のサイクルを断ち切るためにも、カウンセリングは非常に効果的です。
カウンセリングによるストレス対処
ご自身がどのようなことに心理的なストレスを感じやすいのか、何に対して不安や焦りを感じているのかなどを、カウンセリングを通して深く理解していきます。そして、その不安などに対して、どのように考えていけば心が楽になるのか、具体的な対処法を一緒に学び、練習していきます。そうすることで、食べる以外の、あなたに合った適切なストレス発散方法を見つけることができるでしょう。
ダイエットよりも大切な、正しい生活習慣
(※このセクションは前のセクションと内容が近いため、表現を調整しつつ元の情報を保持します)
摂食症を根本的に改善していくためには、ストレスと食事を結びつけてしまう考え方のパターンから抜け出すことが大切です。
心に抱えたストレスの解消法が見つからず、食べることで一時的に発散しようとすると、過食につながりやすくなります。そして、「太りたくない」という強い恐怖心から、嘔吐や下剤乱用といった行動に至ってしまう…。この悪循環から抜け出すために、カウンセリングが役立ちます。
ご自身のストレスの根源や、不安・焦りの原因を深く理解し、それらと上手に向き合っていく方法をカウンセリングやコーチングを通して学んでいきましょう。そうすることで、食べることに頼らない、あなたに合ったストレス解消法を見つけ、心身ともに健康的な生活習慣を身につけていくことができます。
摂食症の根本には「人間関係」がある
家庭環境を含め、人間関係におけるストレスが摂食症の引き金になっていることも少なくありません。周りからは幸せそうに見えるご家庭でも、ご本人は心の中にどこか満たされない思いや不安、不満などを抱えており、それを埋め合わせるかのように、食べることで気を紛らわせている、という場合もあります。
矛盾する心理
一方で、食べてしまった自分を「卑しい」と感じ、太っていくことに対して強い恐怖感を覚えることもあります。食べた後に「食べなければよかった」と後悔し、極端な場合には、吐くことで食べたことを帳消しにしようとするのです。
摂食障害を抱える方の中には、家庭内で厳格なルールや高い期待の中で育った経験がある、という特徴も見られます。しかし、その「きちんとし過ぎている」様子が、ご本人にとっては窮屈で、親御さんと衝突してしまったり、あるいは、「親のようにきちんとできない自分」に対してイライラしたり、絶望したりする場合もあります。
愛情への希求と摂食行動
また、摂食症という状態になることで、結果的に家族に心配してもらい、注目してもらえる、構ってもらえる、という安心感を得ている、という側面も無視できません。摂食症が治ってしまうと、周りの注目を集められなくなるのではないかという寂しさや、「治ったら、また放っておかれるのではないか」という恐怖心や喪失感を、無意識のうちに抱いている場合もあります。
「食べる(あるいは食べない)」という行為が、ご本人も気づいていない心の奥深くに潜む、「私のことを見てほしい」「もっと気にかけてほしい」という、愛情への切実な叫び(希求)の表れであることは、実は非常に多く見受けられるのです。
不安を自信に変えて、摂食症を克服する
いろいろなダイエット法に挑戦してみるけれど、どれもうまくいかない…。そんな経験を繰り返すうちに、だんだんと自分に自信がなくなってしまうこともあるでしょう。また、過食を繰り返すことで体重が増え、自分の容姿に自信が持てなくなってしまうこともあります。
カウンセリングでのアプローチ
そこで、カウンセリングでは、「ただ痩せる」ことだけを目指すのではなく、「心身ともに健康的に、毎日を心地よく過ごすためにはどうすればいいか」という視点を大切に、日々どのように過ごしていくのがあなたにとって良いのかを、一緒に話し合っていきます。あなたの話をじっくりと聞き、「こんな方法はどうかな?」と、無理なく取り組める方法を、一緒に相談しながら見つけていく、そんな環境がここにはあります。
誰かから一方的に意見を押し付けられるのではなく、ご自身ができる範囲のこと、やりたいと思えることから始めていく、というスタンスです。ご自身で「できること」が少しずつ増えていくと、それが自信に繋がり、「もっとこうしてみようかな」という前向きな意欲が自然と湧いてくるものです。
ご自身で前向きな気持ちで取り組めるように、カウンセリングを通して、ストレスを上手にコントロールする方法を身につけていきましょう。
自分でコントロールできないと感じる背景には…
過食がどうしても止まらない、という場合、もちろん、今抱えているストレスが大きく影響しているのですが、それだけでなく、私たちが普段口にしている食べ物に含まれる成分が、食欲をコントロールしにくくさせている、という可能性も、実は考えられます。
生物学的な要因と食欲
例えば、砂糖などの甘いものや、精製された炭水化物などを毎日大量に摂取し続けていると、脳がそれに慣れてしまい、もっともっと欲しくなる、という中毒のような状態を引き起こすことがあります。これは、単なる意志の弱さの問題ではなく、生物学的な体の反応も関係しているのです。
ストレスが軽減されないまま日々を過ごし、その我慢が限界に達した時、まるで堰を切ったように、菓子パンを10個も爆発的に食べてしまったり、チョコレートを板チョコ10枚分も一気に食べてしまったり… ということが起こってしまうのです。
また、普段ダイエットのために炭水化物や甘いものを極端に我慢している、という方も多いでしょう。そうした厳しい制限をしていると、いったん食べ始めた時に、ブレーキが利かなくなり、止まらなくなってしまうことがあります。食べている最中は、何も考えずに無心で食べているのに、食べ終わった後に、激しい自己嫌悪に襲われ、後悔ばかりして憂鬱な気分に支配されてしまう… そんな経験はありませんか?
摂食症は命にも関わる、大切な問題です
摂食症は、症状が悪化すると、命に関わることもある、非常に深刻な問題です。
人間は、お腹が空けば何かを食べたいと感じる、自然な欲求を持っています。しかし、現代のように、いつでもどこでも、簡単に食べ物が手に入る状況にあると、その状況に甘えてしまい、本来備わっているはずの「もう十分だ」と感じる理性が働きにくくなることがあります。
「食べる」という行為は、私たちの本能に根ざした行為ですから、適度であれば問題ありません。しかし、「絶対に痩せなければならない」「少しでも太るのは許せない」といった考えに囚われ、ストイックになりすぎてしまうと、心身のバランスを崩し、かえって危険な状態を招くことがあります。
健康的な体重と心のバランス
慢性的にダイエットを繰り返している方もいらっしゃいますが、まず、ご自身にとっての健康的な体重を知ることも大切です。そして、どのくらいの体重や体型であれば、自分が心地よく過ごせるのか、という点に意識を向けてみませんか?毎日食べることに対して罪悪感を抱き、太ることを過度に恐れる必要がなくなるように、ご自身の心の中にある「痩せていること=価値がある」という偏った価値観を見つめ直し、少しずつ変えていけると良いですね。外見の美しさだけが、あなたの価値を決めるわけではありません。
そして、ほんの些細なきっかけで、摂食症が嘘のように改善してしまうことも、実は稀にあります。それは、例えば、「太っていても、痩せていても、ありのままの私を愛してくれる存在がいる」ということに、心から気づくことができた時かもしれません。その時、摂食症は、もうあなたの中に居場所がなくなるのかもしれませんね。
摂食症になりやすい「感受性の強さ」
摂食症になりやすい方の特徴として、感受性が人一倍強く、繊細である、という点が挙げられることがあります。
傷つきやすさとトラウマ
幼少期に、ご両親から何気なく言われた一言が、心の深い部分に突き刺さり、大人になってもその傷が癒えないまま残っている…。そして、学校や社会に出てからも、似たような状況や言葉に触れるたびに、過去の傷がうずき、怯えたり、深く傷ついたりしてしまう… そんな可能性もあります。
他の人が気にしないようなことでも、より敏感に感じ取ってしまう。それが、摂食症の方に見られる繊細さなのかもしれません。
甘えとSOSのサイン
摂食症であることを、ひたすら人に気づかれないように隠そうとする方がいる一方で、摂食症という状態になることで、結果的に周りの人が心配してくれる、構ってくれる、という状況が生まれ、無意識のうちにその状況に甘えてしまい、なかなか改善しようという気持ちになれない、というケースもあります。
ストレス解消法の模索
もし、食べる以外の方法でストレスを発散し、解消することができれば、摂食症の症状は、それに応じて次第に軽くなっていくことが期待できます。そのストレスの発散方法を、カウンセリングを通して一緒に探っていくことも可能です。
運動をする、趣味に没頭する、サークル活動に参加するなど、楽しみながらストレスを解消する方法は、世の中にたくさんあります。しかし、大切なのは、その方法が「あなたに合っているか」どうかです。
カウンセリングを通して、あなたに本当に合ったストレス解消法を見つけ、日々の生活をもっと穏やかに過ごせるようになれば、過食に走らなくても、心が平穏でいられる時間が増えていくでしょう。食べることから意識をそらすために、何か新しい楽しみを見つけたり、夢中になれるものを見つけたりすることも、時には必要になってきます。
そういったものを探すお手伝いも、カウンセリングの大切な役割の一つです。あなたに合ったストレス解消方法を、一緒に見つけていきましょう。
心理ダイエット:心と食欲の関係
ダイエットがなかなか続かない… という方の多くは、「食べる」ことでストレスを解消する習慣が身についてしまっているようです。
頭では「ダイエットしなきゃ!」と考えていても、日常の些細な出来事でストレスを感じると、つい食欲でストレスを解消しようとしてしまう…。その結果、どうしても食べてしまい、ダイエットを続けることが難しくなってしまうのです。
我慢が生む悪循環
その時の食欲を、「ダイエットのためだから!」とひたすら我慢し続けてしまうと、今度はその「我慢」自体が、さらなるストレスとなってしまいます。そして、我慢の限界を超えた時、「もう無理!やめた!」と、これまで抑えてきた反動で、以前よりもさらにたくさん食べてしまい、リバウンドしてしまう…。この悪循環によって、ダイエットを成功させることが、ますます難しくなってしまうのです。
無理なく、楽に、生活習慣を変えるダイエットへ
「心理カウンセリングとダイエットって、関係あるの?」と思われるかもしれませんね。しかし、意外と深い繋がりがあるのです。
心のケアから始めるダイエット
ダイエットのために、「運動を始めよう!」「ダイエット食品を試してみよう!」と様々なことにチャレンジしては、うまくいかずに、かえって自信を失ってしまっていませんか? まずは、ダイエットへの取り組みを通して傷ついたかもしれない自信を回復させ、継続する力を取り戻すために、心の整理から始めてみましょう。
当セラピーでは、まず、あなたに適したストレス解消法を見つけ、リラックスする習慣を身につけていくお手伝いをします。ストレスを減らし、そして「ストレスを感じると食べたくなる」という食欲との結びつきを断ち切る習慣が身につけば、無理なく、楽に、そして健康的にダイエットを継続していくことが可能になります。

本来の食欲を取り戻す
通常、私たちは適量の食事を摂れば、お腹は満たされ、それ以上食べたいとは思わなくなるものです。ですから、本来の正常な食習慣を取り戻すことができれば、美味しい食事を楽しみながらでも、自然と適正な量で満足できるようになり、無理に太ることはありません。つらい我慢や厳しい食事制限をするようなダイエットは、本来、必要ないのかもしれませんね。
名古屋で摂食症のお悩みやご相談は、聖心こころセラピーへどうぞお気軽にお越しください。摂食症の問題に精通したカウンセラーが、あなたが問題解決に向かえるよう、丁寧にサポートさせていただきます。安心してお申し込みください。
ダイエットへのアプローチについて
名古屋聖心こころセラピーのヒプノセラピー(催眠療法)などを用いたアプローチでは、基本的に、セラピストの言葉にリラックスして耳を傾けていただく形になります。薬を使用したり、「毎日こういう運動をしなさい」「これを食べなさい」といった形で、普段の生活や行動をダイエットのために強制することはありません。
自然な変化を促す
ご自身の内面から、「心地よく、正しい食事を選びたい」「気持ちよく体を動かしたい」「ストレスを上手に解消したい」といった気持ちが、心軽やかに湧き上がってくるように、サポートしていきます。無理なく・自然に変化が促されることを目指しますが、摂食症の回復には、時に不安や痛みに向き合う心理的プロセスが伴うこともあります。こうした葛藤を共に乗り越えていけるように、専門家として丁寧にサポートしていきます。
回数の目安と個別対応
ダイエットに関するコースの回数は、個人差があるため一概には言えませんが、大体の目安として、5回~10回程度通っていただくことを想定しています。
場合によっては、ダイエットへの意識が高まり、無理なく食事制限へと切り替えられるようになり、数回でコースが終了することもあります。しかし、カウンセリングを進める中で、ダイエットの妨げとなっている他の心理的な要因(例えば、過去のトラウマや深い自己否定感など)が確認された場合には、まずそちらの要因を解消することに重点を置き、その上でダイエット効果を高めていく、という段階を踏む必要があることもあります。
クライアントの方一人ひとりにとって、最も適していると思われる心理的なアプローチを選び、意識向上のための方法をご提案させていただきます。
摂食症からの回復は、決して不可能なことではありません。私たちは、そのための解決策とノウハウを十分に心得ています。どうぞ、あきらめないでくださいね。
参考文献・参考資料
- 日本摂食障害学会(監修)(2012)『摂食障害治療ガイドライン』 医学書院
- 齊藤千鶴(2004) 摂食障害傾向における個人的・社会文化的影響の検討 パーソナリティ研究 13巻 1号
- アメリカ精神医学会(著),日本精神神経学会(監訳)(2023)『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル テキスト改訂版』 医学書院