大切な人との別れと、こころの時間

夏の青空と灯台

こんにちは!
カウンセラーの榊原です。

8月に入り、お盆が近づいてまいりました。帰省やお墓参りなどを通して、あらためて「大切な人との別れ」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

誰かとの別れは、深い喪失感を伴います。
喪失とは、亡くなった人だけに限らず、関係性の終わりや、大切にしていた場所や役割を手放すことも含まれます。
その痛みは、簡単に言葉で説明できるものではありません。

心理学では、こうした別れに伴うこころのプロセスを「喪の作業(モーニングワーク)」と呼びます。
これは、失ったものの現実を受け入れ、こころの中で整理しながら、少しずつ前を向いていくための大切な営みです。

すぐに忘れようとしなくて大丈夫です。
時間の経過とともに、思い出は痛みからやさしさへと少しずつ形を変えていきます。

そして、失ったものの大きさを抱えながらも、日々を生きていこうとすることこそ、「抱える力」なのだと思います。
悲しみを手放すのではなく、悲しみと共に生きる力。そこに、私たちの人間らしさや強さが宿っているのかもしれません。

お盆という季節が、こころを静かに見つめ直すひとときになりますように。

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