分離不安症カウンセリング

分離不安症(分離不安障害)とは、その名の通り、愛着を持っている対象者(多くは親御さん)と離れることに対して、強い不安や動揺を感じ、しがみつくような行動をとってしまう状態を指します。そのため、年齢相応の精神的な自立が難しく、未成熟なまま大人になってしまうこともあります。もし、分離不安症をそのままにしておくと、やがて親子間の共依存や、恋愛依存症といった、他の心の諸問題を引き起こす可能性もあります。

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分離不安症は、幼児期の体験が影響していることがあります

大切な人と、離れたくない…

幼稚園に入園する時などに、お子さんがお母さんと離れたくなくて、泣いてしがみつき、なかなか離れようとしない…。そんな光景を、目にすることがありますよね。お子さんにとって、最大の保護者である親御さんと離れることは、心に大きな負担がかかり、時には心身に影響を及ぼすこともあります。どうして、このような状態が起こるのでしょうか。

子どもにとっての「親」という存在

昨今は、単身赴任や共働きのご家庭も多く、親子で一緒に過ごす時間を、なかなか思うように取れない、ということも珍しくありません。

通常、保育園や幼稚園にお子さんを連れて行こうとする時に、お子さんが支度をわざと遅らせたり、お母さんが用事で出かけようとすると「行かないで!」とぐずったりする行動は、お子さんが成長していく過程で見られる、ごく自然で正常な反応です。

お子さんは、まだ自分の力だけで生きていくことはできません。ですから、親御さん、特に多くの場合お母さんは、この世界で唯一頼ることのできる、絶対的な存在なのです。離れたくない、と感じるのは、ある意味、当然の反応と言えるでしょう。

「分離不安症(分離不安障害)」とは?

しかし、その「離れたくない」という反応があまりにも過剰になり、日常生活を送る上で、あるいは、そのお子さんの将来の人生においても、問題が生じるほどのレベルになってしまうと、それは「分離不安症(分離不安障害)」を発症している可能性があります。

「分離不安症」親から「離れたくない」あまりにも過剰になると… 年齢や発達段階にそぐわない過剰なまでの不安 「分離不安症」の恐れ

「分離不安症」とは、ご家族や、特に愛着を持っている人(あるいは場所、例えば自宅など)から離れる際に、年齢や発達段階にそぐわない、過剰なまでの不安を感じてしまい、ご自身の心の中でその不安をうまく処理できず、その影響が精神的な症状や、身体的な症状となって現れている状態を言います。

正常な発達と分離不安

子どもは、生後8ヶ月頃から、自分の養育者(特に母親)を特別な存在として認識し始めます。そして、頼りになり、絶対的に自分の味方でいてくれる存在に、幼い頃は全面的に依存します。やがて、乳幼児期、学童期、思春期と成長していく中で、徐々に養育者への精神的な依存から離れ、自立へと向かっていきます。

しかし、特に乳児期から学童期にかけては、依存している対象(多くは養育者、特に母親)から、物理的に、あるいは心理的に離れると、不安が顕著に現れやすくなります。これを「分離不安」と言います。

この分離不安は、一般的に、どの子どもにも見られる自然な感情です。そして、親御さんがお子さんの不安な気持ちをよく理解し、温かく受け止めてあげる中で、自然と解消されていくことが多いものです。つまり、ほとんどのお子さんが経験するものであり、症状そのものは決して珍しいことではありません。

そして、「離れても、必ずまた戻ってきてくれる」ということを、日々の経験を通して繰り返し学習することによって、分離不安は徐々になくなっていくのです。

克服がなされない場合

しかし、この分離不安の克服が、適切な時期にうまくなされなかった場合、大人になってからも、依存対象者と離れる際に過剰な不安を感じ、「分離不安症(分離不安障害)」という状態を生じさせてしまうことがあります。

安心感を与えてくれるはずの存在(親など)から、十分な安心感を得られなかった…。だからこそ、その失われた安心感を何とか維持しようとして、依存対象(主に母親)のそばに、ずっといようとしがみついてしまうのです。

分離不安症がもたらす精神的な苦痛は、想像以上に大きいものです

「分離不安症」を抱えるお子さん(あるいは大人)は、住み慣れた家や、養育者といった、依存の対象となっている存在から離れなければならない時、耐えがたいほどの強い苦痛を感じます。そのため、何とかして対象から離れまいとして、泣き崩れたり、「行かないで!」「置いていかないで!」と必死に懇願したりします。

親の不安が子どもに伝染する悪循環

この時、もし養育者が動揺して不安そうな態度になったり、嘘をついてごまかすような態度になったりすると、お子さんはそれを感じ取り、「もしかしたら、もう二度と会えないのではないか?」とますます動揺し、不安を募らせるという悪循環を生みだしてしまうことがあります。

分離不安症に陥ると、身体的な症状を訴えることもあります

身体的な症状・問題行動の例 頭が痛い お腹が痛い 吐き気がするなどの訴え 執拗に甘える おねしょ おもらし 落ち着きがない かんしゃく 抑うつ気分 不登校 ひきこもり

この障害が比較的多く見られる幼児期から学童期の前半では、まだ年齢が幼いために、「離れるのが不安だ」という気持ちを、言葉などで直接的に表現することが、うまくできません

そのため、多くの場合、身体的な症状や、問題行動といった、間接的な形で、その分離不安を周りの大人に訴えようとします。

身体症状と問題行動の例

身体症状としては、「頭が痛い」「お腹が痛い」「吐き気がする」といった訴えが多く見られます。問題行動としては、「執拗に甘える」「おねしょ(夜尿)」「おもらし(昼間失禁)」「ソワソワして落ち着きがない」「かんしゃくを起こして暴れる」といったものが挙げられます。

場合によっては、抑うつ気分(気分が落ち込む)、無気力などの精神的な症状が現れ、それが不登校やひきこもりの始まり(基)となることもあります。

分離不安症は、成人期に影響を与える可能性があります

もし、分離不安症を子どもの頃に改善しておかないと、そのお子さんが成長して大人になった場合にも、様々な困りごとが出てくる可能性があります。

自立への影響

例えば、高校を卒業し、東京や地方の大学に合格して、期待を胸に一人暮らしを始めたとしても、1年も経たないうちに、ホームシックなどから実家に戻ってきてしまう… といったケースも、実はかなり多くあります。

そして、一度実家に戻ってしまうと、二度と家から離れることを拒絶するようになり、そのままひきこもりやニートの予備軍になってしまう可能性も否定できません。

このように、分離不安症を放置してしまうと、将来的に「依存性パーソナリティ症」「親子共依存症」「恋愛依存症」「愛着障害」といった、他の心の諸問題へと移行してしまう場合が非常に多いため、注意が必要です。

分離不安症の診断基準・判断基準について

分離不安症の診断基準(DSM-5に基づく要約)を、以下にまとめてみました。

家庭、または愛着を持っている特定の人物から離れることに対して、その年齢や発達段階を考えると不適切で、かつ過剰な不安を感じる。かつ、以下の項目のうち、3つ以上の症状が当てはまる。

  • 愛着を持っている重要な人物(主に親など)と別れたり、離れたりすることが暗示されるような、悪夢を繰り返し見る。
  • 愛着を持っている重要な人物を失ってしまうのではないか、あるいはその人に事故などの危険が降りかかるのではないか、という過剰な心配を、常に(または繰り返し)している。
  • 何かのアクシデント(誘拐や病気など)によって、愛着を持っている重要な人物から引き離されてしまうのではないか、という過剰な不安が常に付きまとっている。
  • 愛着を持っている重要な人物から引き離される、または離れることが予測される状況になると、頭痛、腹痛、吐き気といった身体症状が繰り返し現れる。
  • 離れることへの恐怖のあまり、学校やその他の特定の場所へ行くことを持続的に拒否したり、嫌がって強く抵抗したりする。
  • 家庭、または愛着を持つ重要な人物から離れなければならない状況が起こるか、あるいは離れることが予測される状況になると、毎回のように過剰な苦痛を感じる。
  • 自分が眠るまで、愛着を持っている重要な人物がそばにいないと嫌がる。また、自宅以外の場所(例えば、お泊り保育や修学旅行など)で寝ることに対して、持続的な抵抗や拒否反応を示す。
  • 一人で家にいること、あるいは愛着を持つ重要な人物がいない状況で過ごすことに対して、持続的な抵抗や拒否を示す。

さらに、以下の条件も考慮されます。

  • 分離不安症の症状が現れ始めたのは、18歳以前である。(※DSM-5では成人期発症も認められています)
  • これらの症状が、発達障害(自閉スペクトラム症など)、統合失調症などの精神病性障害、広場恐怖症を伴うパニック障害など、他の精神疾患ではうまく説明できない
  • 分離不安の症状が現れてから、少なくとも4週間以上(成人では6ヶ月以上)経過している。

分離不安症の診断自体は、これらの基準に基づいて比較的行いやすいものです。しかし、依存している対象(親など)と一緒にいる場合には、問題が表面化しにくいため、ご本人やご家族が、症状に気づくまでに時間がかかってしまう場合があります。

通常は、分離不安を乗り越え、段々と自立していきます

幼い頃には、親と離れることを極端に怖がっていたお子さんでも、成長していくにつれて、次第に一人でも大丈夫になり、自立していくのが普通の発達のプロセスです。

トラウマ体験と分離不安

しかし、その成長の過程において、例えば、大切な養育者と突然引き離されるような事態(親の離婚や死別、災害など)が起こったりすると、正気ではいられなくなるような大きなショックを受け、それがトラウマとなって、分離不安が強まってしまうことがあります。

分離不安の傾向が心の奥底に潜んでいる(潜在している)と、高校卒業後の進学や就職などで、いざ親元を離れることになった場合に、「親元を離れられない」といった症状が現れ、最悪の場合には、ひきこもりやニートになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、ご家族が早い段階で問題に気づき、適切な対応をとることが必要になってきます。

精神的な安らぎを得て、分離不安から離れよう

分離不安の症状があっても、ご本人が精神的な安定を感じられるような、安心できる環境にいれば、不安な気持ちは自然と解消していく場合も多いです。

安心できる環境と人間関係

また、例えば一人暮らしを始めて不安に思っていても、近くに相談できる相手や、助けてくれる友人がいる、といった支えとなる環境があれば、症状が和らぐこともあるでしょう。

大人になるにつれて、生活の中で、自分を支えてくれる他の人間関係(友人、恋人、同僚など)を見つけていくことも可能です。しかし、もし強い不安感が高じてしまい、「一人ではとても生活していけない」と感じるほど分離不安症の症状が進行してしまうと、無理に自立しようとすれば、かえって家から出られなくなってしまったり、あるいは特定の誰かに過度に頼り切りになってしまったりする場合などがあります。

分離不安症は、過度な心配性に陥ることも

分離不安症になると、依存の対象となっている人と離れている時に、「もしかしたら、事故に遭って、もう二度と会えなくなってしまうのではないか…」といった、非常に強い不安がよぎることがあります。そして、「とにかく、そばに居たい!」という感情が、抑えきれないほど沸き起こってきます。愛着のある対象の人と離れることを極端に嫌い、強い恐怖を感じてしまうのです。

「離れても大丈夫」という学習

しかし、勇気を出して、その対象と離れる機会を少しずつ設けていくことで、「一度離れても、必ずまた戻ってきてくれるんだ」ということを、経験を通して学ぶ(認知する)ことができれば、過剰な心配や恐怖心は、次第に薄らいでいきます。

分離不安症は、幼いお子さんによく見られる症状ですが、その感情が解決されないまま、ずっと心の中に残り続けてしまうと、大人になっても「親元を離れられない」とか、「恋人に強く依存してしまい、24時間一緒にいないと不安で仕方がない」といった感情に、常に襲われることになってしまいます。

過保護・過干渉も、分離不安症の温床となる可能性があります

母親が、幼い子どもの身の回りの世話をするのは、当たり前のことです。しかし、お子さんが成長してからも、いつまでも子ども扱いをして、手取り足取り世話を焼き続けてしまうお母さんも、中にはいらっしゃいます。

親の役割と子どもの自立

お子さんのことが心配なのは、親として当然の気持ちでしょう。しかし、お子さんが自分の力でもやっていけるように、見守り、サポートすることも、親としての大切な役割です。時には、あえて手や口を出さずに、少し離れたところから見守る(ほったらかしにしておく)ことも、お子さんの自立のためには大切なのかもしれません。

親が何もしてくれなくなれば、お子さんは自分で考える必要が出てきますし、自分の力で行動を起こそうとすることも多くなります。お子さんが不安になるような言葉(例えば、「あなたには無理よ」「失敗したらどうするの?」など)を、むやみに投げかけるのはやめましょう

小さいお子さんであれば、できるだけ一緒にいてあげることは大切です。しかし、お子さんが成長してきたら、少しずつ距離を取り、遠くから温かく見守る、という姿勢も必要になるでしょう。お子さんが不安に思っているからといって、一から十まで親が手を出してしまうことは、お子さんの自立心を妨げてしまうことにもなりかねません。お子さんの将来を本当に思うのであれば、過保護や過干渉は、程々にしておくのが良いでしょう。

分離不安症でも、安心を繰り返すことで乗り越えられます

幼稚園や保育園に通い始めた頃、お子さんが泣いて嫌がることもあるでしょう。しかし、園には先生がいたり、お友達がいたりして、楽しい時間を過ごせることも多いものです。お子さんが泣いたとしても、時には親御さんが心を鬼にして、お子さんを園に預けて離れる、という経験も大切です。

「いってきます」「ただいま」の繰り返し

一度離れても、夕方になれば、お母さん(お父さん)が必ずお迎えに来てくれる。その「いってきます」と「ただいま」の繰り返しによって、「離れても大丈夫なんだ」「必ずまた会えるんだ」ということが分かるようになれば、お子さんも安心して園で過ごせるようになります。

常にお母さんとべったり一緒にいる時間が長かったお子さんの場合、幼稚園や保育園などに行き始めた当初は、毎朝お別れするのが大変かもしれません。しかし、少しずつ園での生活にも慣れてもらい、お母さんと離れて過ごす時間を増やしていくことも、自立への大切なステップです。一度離れても、また必ず会える、という安心感を繰り返し経験することで、不安は自然と収まっていく場合が多いのです。

聖心こころセラピーでは、例えば、遊びを通して不安な気持ちを表現したり、解消したりする心理療法(遊戯療法など)も行っています。もし、お子さんに分離不安症の症状が見られる場合には、改善に向けてご家族がどのように接したら良いか、といったご相談もお受けいたします。

子どもが「なぜ不安に思うのか」を、親も理解することが大切です

幼稚園や保育園に通わせるのは、多くの場合、大人の都合(仕事など)が理由であることもあります。しかし、その親の都合を、一方的にお子さんに押し付けてしまうのは、少し酷なことかもしれません。

子どもの気持ちに寄り添う

もし、お子さんが分離不安の症状を示している場合には、「なぜ、この子はそのような症状を示すのだろうか?」と、その背景にある気持ちをきちんと理解しようと努め、これまでの対応を少し変えていくことも必要になってきます。

ご家庭の都合であったり、お仕事の関係であったり、様々な事情があることと思います。しかし、分離不安を抱えているお子さんの気持ちを理解した上で、その子に合った適切な対応をしていくことが大切です。これは、単に「親の育て方の問題」というよりも、お子さん自身が生まれ持った性格や気質によるところも大きいので、焦らずに、まずはお子さんの気持ちに優しく寄り添ってあげることから始めてみましょう。

分離不安症は、まず「安心感」を定着させることが大切です

人との関係において、「この人は大丈夫だ」「ここにいても安全だ」という安心感を持つことが、分離不安を乗り越えていく上で、非常に大切になってきます。

不安の連鎖を断ち切る

一度、大切な人がいなくなる(離れる)ことで強い不安を感じてしまうと、「また、あの人がいなくなったらどうしよう…」「いなくなったら、私は一人でどうすればいいんだろう…」と、常にその恐怖にとらわれてしまいます。それは、幼いお子さんだけでなく、大人になっても、例えば養育者であったり、あるいは恋人や配偶者であったり、特定の相手と離れることができなくなってしまう、という状況にも繋がります。

穏やかで、楽しい毎日を過ごすためには、分離不安症の症状を和らげ、「自分一人でも大丈夫だ」と思えるような、たくましい精神状態を育てていくことが望ましいです。焦らず、無理のない範囲で、少しずつ対応していくと良いでしょう。

聖心こころセラピーでは、分離不安症の症状などへの理解を深めていただくとともに、ご家庭でどのように対応していくのが良いのか、具体的なアドバイスも行っています。もし、ご家族の中に分離不安症を抱えている方がいらっしゃる場合には、ぜひ一度ご相談ください。ご家族全体で症状を緩和していくためのセラピーや、認知療法なども行っています。

分離不安症の改善に向けて:様々なアプローチ

分離不安症を改善していくにあたり、よく行われる心理療法として、遊戯療法、認知行動療法、家族療法、薬物療法などが挙げられます。

遊戯療法

「遊戯療法」とは、主に3歳から12歳くらいまでのお子さんを対象として行われる心理療法で、「遊び」をコミュニケーションや自己表現の手段として利用します。決まった手順があるわけではなく、お子さん一人ひとりの個性に合わせて行われることが多いです。療法を行う専門家によって、具体的な方法は異なりますが、名古屋聖心こころセラピーでは、室内外を問わず、お子さんと一緒に様々な遊びの活動を取り入れながら、お子さんにも理解しやすい論理的な思考(例えば、「離れても必ず戻ってくる」という考え方など)を、遊びを通して身につけていく、というアプローチで、多くの実績を上げています。

認知行動療法

「認知行動療法」では、例えば、依存の対象となっている人から、あえて少しずつ離れる練習をし、その時間を徐々に長くしていきます。そうした経験を通して、「対象の人は戻ってこないかもしれない」「離れている間に事故に遭って、二度と会えなくなってしまうのではないか」といった不安な考え(認知)を、「大丈夫、必ず戻ってきてくれる」という安心できる認識へと、少しずつ改善していきます。

家族療法

「家族療法」とは、問題を抱えているご本人だけでなく、ご家族も一緒に療法の対象とするアプローチです。ご家族は、ご本人にとって最も身近な人間関係であり、その方の心のあり方や考え方の形成にも、大きな影響を与えています。そのため、「家族療法」では、ご本人が抱えている問題を、ご本人だけの問題として捉えるのではなく、ご家族全体のコミュニケーションや関係性のパターンなどを見直し、改善していくことによって、問題の解消を目指します。ですので、依存の対象となっている方(主に親御さん)にも、「なぜ、お子さんは分離不安症を発症しているのか」「どうして、そのような症状が出るのか」といった点を深く理解していただきながら、実際の状況に合わせた症状改善へのサポートをお願いすることになります。

子どもの分離不安の本質は、実は子ども自身にあるのではなく、多くの場合、親御さんの関わり方や対応に起因している、ということを忘れないでください。

参考文献・参考資料

  • 近藤直司ほか(2014)『不安障害の子どもたち 子どものこころの発達を知るシリーズ3』 合同出版
  • アメリカ精神医学会(著),日本精神神経学会(監訳)(2023)『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル テキスト改訂版』 医学書院

この記事の著者

榊原カウンセラーは臨床心理士・キャリアコンサルタント・管理栄養士。日本福祉大学大学院修了(心理学修士)、名古屋学芸大学卒。公立小学校での栄養教諭を経て、現在は心理・教育・栄養の複合的な視点から支援活動を行う。日本心理学会・日本心理臨床学会会員として、心の健康や対人関係に関する情報発信・執筆にも力を注いでいる。

この記事の監修者

群馬県出身。現在は東京都・神奈川県を拠点に、臨床心理士・公認心理師として活動している。
医療機関にて老年期医療の現場に携わり、認知症をはじめとした高齢者の心理的支援や、家族へのサポートに従事。加えて、メンタルクリニックでは幅広い年齢層を対象に、カウンセリングや心理検査業務を行ってきた。
現在は、総合病院およびクリニックでの勤務と並行して、個人カウンセリングルーム「つきのわ」を開設。対面・オンライン・テキスト相談など、利用者のライフスタイルに応じた柔軟な相談スタイルを用い、一人ひとりの心のペースに寄り添った支援を提供している。

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