心的外傷後ストレス障害、PTSDでは「恐怖と怯え」に繰り返し襲われ通常の生活が困難となる。大切な人の不慮の死、大災害、犯罪などが起因となり、瞬間的ショック性ストレスが脳裏に刻まれ離れない。 浮気やモラハラなどでも |
もしかしてPTSDなのでは?
|
● セルフチェック |
|
◀ 上記のセルフチェックで3つ以上該当する場合に ◀ は詳しいテストを左のSTARTから始めて下さい |
●診断テストを実施して頂くことであなたの気になる問題や悩みの深度をパーセンテージにより軽度~重度のレベルを知ることができます
PTSD・心的外傷後ストレス障害の概要
心的外傷後ストレス障害は通称「PTSD」とも呼び、日常とは掛け離れた強いストレス、例えば、大きな事故や大地震などの自然災害、犯罪、虐待など命が脅かされるような体験、人としての尊厳が損なわれるような経験が原因で起こる症状です。
このような体験、経験を「トラウマ」とも言います(PTSDになるような体験=トラウマという訳ではありません)。トラウマを自分の心の中で上手く整理、制御出来ず、日常生活に支障が出ている状態が1か月以上続くようであれば「心的外傷後ストレス障害」と言えるでしょう。そして3か月以上も持続した症状があれば、慢性的なPTSDと考えられるでしょう。
少し前までは一度の命に関わるような、強い衝撃を受けた体験後に心的外傷後ストレス障害「PTSD」が起こると考えられていましたが、最近はいじめ、虐待等の長く続く辛い体験でも心的外傷後ストレス障害のような症状が起こると考えられるようになり、それは「複雑性PTSD」と呼ばれ、下記下段に詳しく記述してあります。
命に関わる衝撃的出来事をノックアウトする程のパンチが心的外傷後ストレス障害「PTSD」だとすれば「複雑性PTSD」とは心にジャブのような攻撃を受け続け、最初は何ともないのに、後からじわじわと辛くなっていくものです。
その他にも、直接的にストレスフルな出来事を体験していなくても、その出来事を見たり聞いたりすることで心理的な影響を受け、PTSDにつながる可能性もあることから、波及性の高い障害とも言えるでしょう。
また、衝撃の強い体験のすぐ後に起こる反応だけでは心的外傷後ストレス障害とは判断されません。同じ症状でも、4週間以内に治まった場合は急性ストレス障害(ASD)と呼ばれます。
PTSDが注目されるようになった経緯を探る
PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉をよく耳にするようになったのは、1995年阪神・淡路大震災を皮切りに、同年の地下鉄サリン事件、2001年小学校無差別殺傷事件、2011年東日本大震災で何度もニュースなどで報じられたことにより、認知が広がっていきました。
海外では、戦争の最前線で戦ってきた兵士が、無事に帰還したものの多くの人がPTSDを発症していたことがきっかけとなり、PTSDが広く社会に認知されることにもなりました。
また、親しい人から衝撃的な体験を知らされることやその出来事に断片的にでも触れることで発症することが知られています。
出来事を体験してから半年以上経ってからはじめてPTSDの症状が現れることもあり、様々な観点でPTSDに注目が集まっています。
PTSDの代表的な4つの症状
精神科・心療内科などの病院で心的外傷後ストレス障害「PTSD」と診断される代表的な症状としては下記の4つが挙げられます。
1 再体験(フラッシュバック)
2 回避・麻痺(まひ)
3 認知と気分の陰性変化
4 過覚醒
1 再体験(フラッシュバック)
心的外傷後ストレス障害「PTSD」を起こす原因となったトラウマを、思い出したくない、考えたくないと願っても否応が無しに思い出してしまう現象の事を「再体験・フラッシュバック」と呼びます。トラウマをリアルに思い出すことで、その時の体験を追体験しているような感覚に陥り、苦しさを感じてしまいます。
睡眠時においても悪夢としてトラウマを再体験してしまうことさえもあります。
この体験は何も映像と音で全てを表現されるものだけではなく、その時の音だけ、痛みだけ、匂いだけ、といった感覚に訴えるものとして発生することもあり、フラッシュバックを起こすことで、恐怖、混乱といった状態に陥り、パニック状態や、部屋の中から出られなくなったりしてしまいます。
他にも、外部からの刺激を受け付けまいと自分の殻の中に閉じこもり、無気力、無関心な状態になることもあります。
記憶と言うものは、本来時間が経つほど曖昧になり薄れ行くものですが、フラッシュバックされる記憶は時間と共に更に鮮明さを増して行きます。
2 回避・麻痺(まひ)
心的外傷後ストレス障害「PTSD」の症状の一つである「回避・麻痺」とは「また怖い目に遭ったら・・」「またフラッシュバックが起きたらどうしよう」と予期不安に陥り、トラウマとなった体験を極力避けようとする行動です。
例えば、水難事故に遭った場合には川や海といった水辺を、列車の事故に遭った場合には電車に乗ることを避けようとします。事故が起きた時に周りに人が大勢いたなら、人混みですら怖いと感じることもあります。その回避的な思考を生活範囲に定着させてしまい、やがて日常生活にかなりの支障が生じるようになります。
或は、自分自身の心を守るために何も感じまいとして、自分の気持ちがまるで麻痺(まひ)してしまったかのように、感情表現ができなくなったり、現実感を喪失したりしてしまうこともあります。
3 認知と気分の陰性変化
命にかかわる出来事を体験した場合や持続的なストレスを与えられたことにより、必要以上に否定的な考えや信念を持ち合わせてしまうことがあります。
また、これまで楽しめていた趣味や人とかかわることなどに興味や関心が持てなくなり、パタリと趣味から離れてしまい、人とかかわることを避け、他人から孤立していると感じるなどの症状が続きます。
ボーっとして集中力がなく、表情豊かであった顔にも感情が見えなくなり、負のスパイラルが続くような心境となることもあります。
以前は活発であった人がPTSDの症状によって別人のようになってしまうことも少なくなく、幸せや喜び、優しさなどの感情が持ちにくくなることが特徴です。
4 過覚醒
ほんの些細な出来事にでも、トラウマを連想させるようなことが少しでもあれば過剰に恐ろしく感じてしまう状態です。列車事故であれば電車を連想させる音、事故当時を連想させる少し大きめの音等が考えられるでしょう。小さな事に必要以上に敏感になってしまう為、気持ちが休まらず、睡眠障害に至ることも多々あります。
また、常に不安感が消えず、いつも怯えていたり、イライラしてしまったりもします。
過覚醒状態の辛さを軽減するため、例えば、眠れないからお酒を飲んだり、睡眠導入剤を試したりした結果、アルコール依存症、薬物依存症を起こしてしまう場合も少なくありません。
上記のような4つの症状が1か月以上続き、日常生活において支障が出ている場合に医学的に「PTSD」と診断されることがあります。PTSDの症状が持続することで、人生を楽しめなくなり、積極性が失われ、充実感が得られなくなってしまいます。また、不眠や不安が長く続くことで体調不良、鬱(うつ)状態を引き起こすこともしばしばあります。
場合によっては「私がトラウマとなるような状況を招いてしまった、何もかも自分が悪いのだ」と歪んだ認識をしてしまい、心的外傷後ストレス障害「PTSD」に陥っている自分自身を必要以上に責めてしまう場合もあります。
「複雑性PTSD」とは
複雑性PTSDとは、「複合的な心的外傷後ストレス障害」とも呼ばれる症状です。いじめ、機能不全家族における虐待等、長い期間、人格や自尊心を傷つけられるような出来事が続くことで生じる症状です。
この症状は最近になり心的外傷後ストレス障害「PTSD」とは違うものだと認識されるようになりました。 複雑性PTSDは、幼い頃から主に家庭内・学校内でネガティブな体験を積み重ねていくことにより起こる症状です。
その為、トラウマ(この場合はネガティブな体験の積み重ねを指します)を体験してもすぐに発症するという訳ではなく、しばらく期間を経た後に(例えば大人になってから)症状が出てくることも少なくありません。体験の積み重ねが元に起こる症状で、原因となる体験は一つとは限らず複合的な為、「複雑性」PTSDと呼ばれます。
複雑性PTSDの影響で現れる症状として「極端な考え」をしたり、「衝動的な行動」を起こしてしまうパーソナリティ障害、自分が自分であると感じられない、現実感を感じられない、ある時期の記憶がスッポリと抜けている、といった解離性障害の他、摂食障害、依存症等があげられます。
フラッシュバックから離れていこう
トラウマになった経験が心の奥底に残ったままであれば、その経験が知らず知らずの内に思い出されてしまい辛いことも続きますが、通常であれば時間が経つに従い記憶は薄れていくものなのでその場合には心配はありません。しかし前者が長期に続くようであれば社会生活を過ごすには重荷が大き過ぎるため、何らかの対策が必要となります。
自分の辛かった体験を話すことは苦しいことですが、自分の気持ちと向き合い解放し、これからどのように生きていきたいのかを考えることに繋がります。PTSDを乗り越えるために、いつもの通りに生活していくように努めましょう。
心的外傷体験を友人や信頼できる相手に話すこともいいですし、リラックスする練習を行うこともいいでしょう。規則正しい食事をして、運動をして、家族や友人と過ごすようにしましょう。また、心が落ち着いてきたら、心的外傷の原因となった場所を訪れてみることもいいでしょう。
PTSDの症状が出ていると、事故を起こしやすくなっていますので、運転などには十分に注意が必要です。また、カウンセラーに会って、自分の気持ちを説明するのもいいでしょう。生きていくための希望を持ち続けることが必要です。
PTSDになりたくてなった訳じゃない
誰しも命が脅かされるような体験や予期しない出来事が突然訪れた場合には、無意識に自身を強いストレスから守ろうとして様々な症状が起こり得ます。言わば人間の生理的で正常な反応とも言えるでしょう。しかしPTSDともなれば、何か月に渡って症状が続いているため、生活習慣の乱れや対人関係の変化が生じていることが多くあります。
しかし、自分を責め過ぎることや、期待し過ぎるのは余り良くありません。PTSDの症状は怖い体験をした時には誰にでも起こりうる反応です。人と会うのを避けたり、過度の飲酒や喫煙をしたり、睡眠時間や食事を減らすことは止めましょう。
PTSDになるとまたあの恐怖がやってくるのではないかという気持ちになってしまいますが、日々をきちんと過ごしていることで、そうでもないのだなと思える瞬間があれば、変わっていくこともあります。
最初は恐怖に怯えていることもありますが、少しずつ普通の生活を取り戻すことで、良くなっていきます。また時間の経過とともに忘れていくこともありますので、どうしても忘れられない辛い出来事がある場合には、私どものようなカウンセリングを受けることにより、今一度自分の気持ちを整理してみるのもいいでしょう。
原因には家族や周囲の関係もある
PTSDになる場合の多くには、その後の周りの人の対応なども大きく関わってきます。何か怖い体験をした場合には、家族や友人の方は本人を責めたりせずに、じっくり話を聞いてあげるようにするといいでしょう。同じことを何度も話したり、取り乱して動けなくなることもあるかもしれませんが、落ち着いて対応してあげてください。
注意いただきたいことは、家族や友人の方が本人を心配するがあまり、出来事や気持ちを話すことでスッキリしてもらおうと根掘り葉掘り聞きだしてしまうことです。本人が話したいのであれば良いのですが、そうでなければかえって症状を悪化させてしまうことがあります。
複雑性PTSDになる原因が家族や友人にある場合には、その人たちから離れることも一つの手段です。自分が苦しい思いをしないで済むような環境にしていきましょう。自分が偏った考え方をするのは、PTSDが原因である場合もあります。自分の中の恐怖感と向き合って、少しずつ問題を改善させて行きましょう。
何気ない一言でPTSDになるケースも
身に危険が及ぶような出来事の他に、親や恋人、配偶者や上司などに日常的に人格を傷つけられたり、一人の人間として認められなかったりというケースが出てくると、その体験が元になり自分の意見が言えなかったり、自分は価値のない存在なのだと考えてしまうこともあります。
また、「男の子なのだから」とか「お姉ちゃんなのだから」といった両親からの言葉も自分の中での呪縛となり、本来の自分の気持ちで生きていけないことも多くあります。もちろん、そのように振舞うことで喜ばれることもあり、それが嬉しいということもあるのですが、それが本人にとっては辛いことである場合には、心に大きな負担となります。
また、身近な人から暴力や暴言、育児放棄など虐待を受けていた場合や、友人から陰湿ないじめを受けていた場合にも、心に大きな傷となりその後の人生を自分の人生として前向きに生きていくことが出来なくなる可能性があります。
自分の気になることから話してみよう
PTSDの原因になっている事柄を話すことは辛過ぎ出来れば思い出したくないことなのですが、自分がそのように思って辛くなってしまうことを誰かに聞いてもらうことは非常に良いことです。
専門家に聞いてもらい、こう考えてみたらどうかな?とか、こう思うことはありませんか?と適切な質問を受けていく中で、「自分はこんな風に感じているなぁ」とか、「こう考えたらいいのかもしれないな」というヒントが見つかるでしょう。
自分の気持ちが整理できてくれば、その場所やその人たちに会っても、平静でいられるようになる日もやってくるでしょう。気持ちが高ぶってしまう場合には、気持ちを落ち着けるような音楽を聞いたりリラックスできる環境に身を置くことも必要です。
ほんの少しの事で深く傷つき発症することも
本来であればいろんなことを認めて応援してくれるような信頼できる存在が家族や友人であったりするのですが、なにか自分の存在を否定されたり、傷つけられるような出来事に遭遇すると、怖くなってしまい次の一歩がなかなか踏み出せなくなるケースもあります。
いつも緊張状態に陥って不眠になることや、精神的に不安定になることもあるでしょう。そうなった原因が自分でも思いつかない場合も案外多いものです。考えてみると昔こんなつらい体験があったなぁとか、こんな苦労があったなぁと感じることがあるかも知れません。
そういった心の奥に埋もれた出来事が自分の偏った考え方を作り出している可能性もありますので、カウンセリングを通して、潜在意識の中から掘り起こし改善していくと、気持ちが楽になっていきます。
新しい経験を通してショックを和らげていく
PTSDや複雑性PTSDになっている場合には、その怖い体験を避けるあまりに、自分が自分でいられなくなるような感覚に陥る場合もあります。しかし、そこで考え込んでしまって動けなくなるのは、いろいろな好機を逃していることにもなるかもしれません。
新しく何かを始めてみると案外うまくいくこともあるかもしれませんし、優しい人々に出会い、また頑張ろうと思える糧にもなる可能性もあります。警戒心は強くなり、疑心暗鬼となり人を信じられない気持ちも強くなるかもしれませんが、少しずつ経験を積み重ねていくことで、自分の心にも変化が出てくるでしょう。
辛い経験をしたことは不幸なことですが、それがあなたの人生全てではないことも日々の生活を通して実感できるようになると、PTSDも少しずつ回復していきます。
トラウマと共存していく方法も大切です
自分の中にある辛い体験と共存していくことも必要になります。辛いことを思い出してしまうかもしれませんが、それだけではない幸福感を感じることで、少しずつ気持ちも変化していくのではないでしょうか。辛いことに対してそれで頭がいっぱいになってしまうときには何か自分の好きなことをするのもいいでしょう。
もちろん、あの時は辛かったなぁと思い返す時間も必要です。その中で、その恐怖感が自分の身を守るために良い方向に働くことも場合によってはあります。なにかしようと思った時に、こんなことを気を付けよう、と危険回避につながる場合もあるでしょう。
その不幸な出来事はあなたのせいではないので、自分を労わりつつ、認知の歪みを正していきましょう。通常の場合であればどのように考えるといいのかなどを知ることが出来ると自分の考えにも幅が出てきます。
克服には大切な友人や家族の協力も
何か辛い体験をしている場合には、新たに大切な友人や家族などを作っていくのもいいかもしれません。トラウマになる対象が家族などとなれば、なかなか新しい家族を作ることにも勇気がいるかもしれませんが、相手を信頼して、相手からも信用できる人だと感じられるように付き合ってみるのもいいでしょう。
信頼できる人が一人でもいることで日々の生活も良いものとなってきますので、自分が信頼できる人を一人でも作ってみることをお勧めします。信頼できる人が一人でもいるのであれば、その人に話を聞いてもらうこともいいでしょう。
心から安心でき、これまでの日常が戻ってくること、そして再びPTSDの症状が再燃しないためにも、大切な友人や家族、心の拠り所となるような人とのかかわりが、PTSDの克服につながる場合もあります。
子供への怒鳴り声で発症するケースもある
「子供のPTSD」というものも最近は顕著になってきており、小さい子供が身近な大人に叱責されたことが原因でPTSDを発症したケースも多くあります。例えば、大声で怒鳴る男性に恐怖感を覚えて、真っ黒な絵を描くことや、夢に怖いおじさんが出てくるといってそのまま緊張して眠れなくなってしまう場合、成長しても夜尿を繰り返すという場合もあります。
そういった些細な出来事がきっかけでもPTSDは発症しやすいのです。重篤な例では、父親にいつも怒鳴られたことや、身体的や性的な暴力を受けていたという場合なども多いです。
子供はそのような環境からは逃げることが出来ないので、それを我慢することでその場を耐え忍びますが、心身に出る影響はかなり大きなものとなり、大人になってから日常生活に支障をきたすような症状が現れることや対人関係に不和が生じるなど大きな影響を及ぼすことが多いです。
子供を怒鳴る行為は「マルトリートメント」
マルトリートメントとは、「不適切な養育」ともいわれており、子の心身の発達に大きな影響をもたらします。虐待と同義で使われることも多いですが、子供の心身の発達に関して、子供の精神疾患やPTSDなどに関わらず悪影響をもたらすものは、マルトリートメントに値します。
また、親や大人が子供を傷つけようとする意思がなかった場合でも成り立ちます。子供のしつけのためにという親もいますが、子供のしつけは子供に恐怖心を与えることではなく、正しく導くことが目的になります。
しつけという名目で、身体的にあるいは精神的に叱責したり、威嚇したり、脅したりすることはマルトリートメントとなり、子供の心身の発達に悪影響を及ぼします。
マルトリートメントは子供の脳に影響を与える
マルトリートメントは発達途中の子供の脳にも影響を与えることが分かっています。また、子供の学習意欲を低下させることや、引きこもりになることや、大人になってからうつ病などの精神疾患を発症する危険性もあります。
親に暴言を浴びせられるなどのマルトリートメントの経験を持つ子供はその経験のない子供よりも、精神的に不安定になる場合が多いのです。
マルトリートメントの経験者は大脳皮質側頭葉にある「聴覚野」の一部の容積が、未経験者に比べて14.1%増加しており、子供時代の暴言を受けた経験が、正常な脳の発達を損ない、人の話を聞き取ることや、会話することに余計な負担がかかるようになった場合なども見受けられます。
PTSDで好きなことにも興味が無くなる
PTSDの症状には、好きだったはずの物事に対しても以前のような関心が持てずに、周りに溶け込めないような気がすることや、幸福感などの幸せな感情が生まれなくなっているケースもあります。日常の行動にも支障が出てきて、表情や会話が乏しくなりボーっとしていたり、引っ込み事案になったり、食欲が無くなると訴えることもあります。
記憶力なども低下して、どことなく元気がなかったり、情緒不安定になり何かを怖がったりするようにもなります。
これらの興味・関心などの変化の原因について、本人が気づいている場合もありますが、中には気づかずに周囲の人が心配している場合もあります。
これまで受けた出来事を修正することは不可能ですが、1日でも早く日常生活に戻れるよう、そしてこれまでのその人らしさが戻るように、聖心こころセラピーでは支援していきます。
PTSDには親子の負の連鎖も関係する
不適切な養育は気を付けるべきことではあるのですが、親も感情がある人間であり、中には自分も幼い頃より同じような養育をされてきたことで、それが子供にとってネガティブなものになっていることに気づいていないケースもあります。自分の感情をコントロールできずに叱りつけてしまう親もいます。
そんな中で子供は恐怖感を感じるようになり、脳の発達に影響が出るケースも多いです。また、そのような環境で生きてきたために、気づかないうちにPTSDにかかっている場合もあります。その環境が理不尽であったことを認識し、変えていくことが出来ればより安心できるでしょう。
自分が怒鳴られてきた場合には、そういった行為は人を傷つけるという認識をもって取り組むことでも子供への影響などは変わってくるでしょう。どのような言葉や行動が子供たちを傷つけていくのかということを良く知っておくことも必要です。
身体的暴力などを行っていない場合でも、子供を傷つけるような行動をしてはいないかをしっかりと考える必要もあります。そんなPTSDを改善するための第一歩として熟練の専門のカウンセリングをお勧めします。どんな言葉で傷付き、痛みを抱えているのかをまずはきちんと整理しましょう。
聖心こころセラピーでも心理療法にカウンセリングを行っており、PTSDからの回復を目指していくことが出来ます。
PTSD いくつかの治療法
精神療法としては代表的なものでは「認知行動療法」における持続エクスポージャー療法や眼球運動を用いるEMDRfなどにより心的負担を軽減していきます。場合によってはヒプノセラピーなどの心理療法も有効となります。
1 持続エクスポージャー療法
国際的に心的外傷後ストレス障害「PTSD」に推奨されている療法が持続エクスポージャー療法です。カウンセラーとの意思疎通の中で「何がトラウマとなっているのか」「どうしてトラウマになっているのか」の問題点を把握・認識し、少しずつトラウマを心の中で整理し、意識的に自分の気持ちを制御コントロール出来るように練習します。
自身の辛い体験と向き合っていかなければならない為、本人の気持ちが不安定になりがちです。その為、カウンセラーと相談しながら慎重に進めていきます。専門家が行わなければ症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。
2 EMDR
(眼球運動による脱感作および再処理法)
2000年に国際トラウマティック・ストレス学会において有効なトラウマ治療法として認定された療法です。
「脱感作」とは元々は生物学的用語で、アレルギー反応を起こす原因物質を少しずつ増やしながら投与していくことで、アレルギー反応を軽減していくこと、及びその治療方法を指すものです。
眼球に特定の運動をさせながら過去のトラウマを思い出すことにより、上手く整理されていなかった体験をもう一度、自分で受け入れられるように整理し直します。
この治療法は8段階に分かれており、このような眼球運動を取り入れるのはそのうち4~6段階目になります。この療法は短期間で効果が見込め、トラウマを細かくしっかりと思い出す必要がなく本人に与えられるストレスが少ない、という利点が存在します。
なお、PTSDの治療法として以前有効と考えられていたものの、現在では支持されず、しかも害を与える可能性がある心理療法としてデブリーフィングというものがあります。これは震災などの体験直後にPTSDを防ぐ目的として、体験した出来事や感じたことなどを詳細に語らせる方法ですが、かえって逆効果であることが明らかとなり、現在では推奨されていません。体験を語ることでスッキリして良くなるという安易な方法には注意が必要です。
「人生には思いも寄らない出来事があります、越えられない辛さの問題をそろそろ解決に向けて取り組みましょう。その手段と対策は心得ています。」
PTSDの悩みやご相談はカウンセリングを通じての回復は可能です。PTSDは大きな災害天災に遭った際に起こるショック性のものとは限らず、夫の浮気や親から受けた心無い言葉などで心に受けた傷がショックや恐怖で今も癒えることなくフラッシュバックし苦しみ続け日常の生活に支障をきたし当カウンセリングを訪れる方も多くいらっしゃいます。PTSDに精通したカウンセラーがこの苦しみからの解放に導きます。
PTSD
テスト結果
このセルフテストの結果に関してはあくまでも個人の参考程度に留めていただくことをご承知置きください
0~19%
大丈夫、問題ありません
~9%までの人は特に大きく問題はないと思われます。10%~19%はショッキングな出来事に動揺も多少みられますが、自分自身でコントロール出来ている範囲なので大丈夫だと思われます。
20~29%
少し注意が必要です
少し社会生活を送る上で少し心配な数字かも知れません。PTSDへの早期対処することが賢明だと思われます。クリニックへ行く程のレベルかどうか判断が難しいと思いますが、心身の調子を崩されているようでしたらクリニックへ行き相談することをお勧めしますし、カウンセリングもPTSDにはとても有効な手段と思われます。
30~49%
解決に向け対策が必要です
40%を超えていれば、より危険水域と思われます。以前に危険な出来事や強烈な嫌悪を感じた近いことに対して、怯える程の予期不安や急激な体調の変化が起こる場合もあります。過去に辛かった経験や思い出したくもない出来事があり、そのことが未だに心にトゲのように残っていれば今後PTSDの症状が現れる可能性があります。
PTSDから来るパニックが心配な場合にはクリニックによる薬物療法も必要かも知れません。しかし薬物療法を避けたい場合には、当セラピーのカウンセリングを受けるなどして適切な対処が必要だと思います。まずは悩みの選択画面にある「PTSD」をよくお読みいただき、理解を深め、現在の自分と照らし合わせてみてください。
このまま今の外的要因によるショック性の心の傷を放置していれば、やがてパニック障害を引き起こしかねません。もしそうなってしまえば生活や仕事に支障が起きる可能性も出てきますので、早目の対処をお考え下さい。
50~100%
大きく問題があります
速やかにクリニックや心理療法・カウンセリングへ行くレベルです。医師によってはPTSDの診断を受ける可能性が大いにあります。そしてこのレベルであれば心的健康は保たれてはいないはずであり、今現在においても学校や地域、仕事など様々な支障や問題が生じていると思われます。
突然、もしくは何かをきっかけにして、鮮明に過去の忌まわしく辛い記憶が思い出され、思考を支配し、居ても立っても居られなくなってしまう。悪夢として過去の体験が蘇る。
辛い過去を思い出さないように、きっかけとなりそうな物や事、場所などをできる限り避けて生活しているなど、過去のトラウマから解放されずに、思考や生活が制限されているようであればPTSDの可能性が非常に高いと言えます。
医師による薬物療法や当セラピーなどでのカウンセリングやコーチング、認知行動療法などの心理療法での効果が期待できます。思わぬ状況の中で突然の起こった出来事により心に大きな傷を負ったショック性の状態から、一刻も早く脱出するには心の癒しも必要であり、また心理療法などを積極的に用いることも有効な手段です。
トラウマに縛られることのない、楽しく軽やかな人生を送れるように一緒に取り組んでいきましょう。
名古屋でのPTSDのカウンセリングは聖心こころセラピーへ
ホームページに戻る |