カウンセリング相談室 |
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< Contents >
□ パーソナリティ障害・人格障害の概念
□ パーソナリティ障害・人格障害の特徴
□ 心配・不安型パーソナリティ障害
□ 激情型パーソナリティ障害
□ 病理的パーソナリティ障害
□ 無自覚なパーソナリティ障害・人格障害
□ パーソナリティ障害の人との付き合い方
□ 周囲の人が疲れ離れてしまうパーソナリティ障害
□ パーソナリティ障害にも様々な種類がある
□ パーソナリティ障害からの脱却方法
□ パーソナリティ障害の根底には自信の無さ
□ 社会に出てから露呈するパーソナリティ障害も
□ 自己評価が高すぎるパーソナリティ障害もある
□ 破壊的・破滅的行動のパーソナリティ障害もある
□ パーソナリティ障害・人格障害の克服に向けて
回避性人格障害 | 依存性人格障害 |
強迫性人格障害 | 境界性人格障害 |
自己愛性人格障害 | 統合失調症 |
物事に対する考え方や、行動パターンは人それぞれであり、個性として尊重されるものです。しかし著しく偏った考え方や、反社会的な行動は本人の社会への適応を困難にさせるだけでなく、対人関係においても悪影響を及ぼします。
一般の人に比べ著しく偏った行動をし、社会通念や常識を超えて、社会的・職業的に障害を引き起こしてしまっている場合には「人格障害」「パーソナリティ障害」の可能性が浮上してきます。
「人格障害・パーソナリティ障害」の特徴としてはまず「本人に自覚がない」ことが挙げられます。そのため知らず知らずのうちに周囲の人を困らせたり傷つけてしまうことがあり、トラブルメーカーという印象を持たれることがあります。
こういった状況が深刻化し、生活する上で問題が数々発生することにより始めて、自分が人格障害・パーソナリティ障害の持ち主と認識することも稀にあります。
人格障害・パーソナリティ障害は、青年期や成人期の早期に始まる場合が多く、その状態が長く続き、不安や抑うつなどの精神状態に陥ることもあります。しかし、こういった症状が出ていても、本人は自分の人格が原因だと認めようとはせず、この問題は誰かのせいであると思い込んでいる場合が殆どです。
「人格障害」という言葉は、どこかネガティブなイメージがあるため、最近では「パーソナリティ障害・パーソナリティ機能障害」と呼ばれることも多くなりました。
一言に人格障害・パーソナリティ障害といっても色々なタイプがあり、下記のように「不安・心配型人格障害」「激情型人格障害」「病理的人格障害」の3つの人格障害・パーソナリティ障害に分けることが出来ます。
自分に自信が持てず、常に不安や心配が強いタイプであり、人格障害・パーソナリティ障害のレベルとしては比較的軽い障害だと言えます。
回避性パーソナリティ障害
(回避性人格障害)
回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害は、恥をかいたり、嫌われることを極度に恐れるために、人と深く関わることを望まず、社会的な交流をなんとか回避しようとする傾向を持ちます。
男性に多く見られる人格障害・パーソナリティ障害で、「統合失調質人格障害」とは違い、孤独感や人との交流が苦手であることに対して悩みます。
一見「人間嫌い」のように見えますが、実際は人を求める気持ちを強く持っており、自信の欠如や低い自己評価から、積極的に行動することが出来ないのが回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害の特徴です。
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依存性パーソナリティ障害
(依存性人格障害)
依存性パーソナリティ障害・依存性人格障害は、不安や恐怖心が非常に強く「誰かに世話されたい」「誰かに支えられていたい」という過剰な依存的欲求を常に持っています。
特に親密な人に嫌われるのではないかという“見捨てられ不安”があるために、消極的な態度を取るかと思うと、逆にしがみつくような行動をしてしまいます。
人によっては、相手からの愛情や支持を得るために不快な事まで自ら進んで行ってしまうことも少なくありません。「依存性パーソナリティ障害・依存性人格障害」だと自覚が無い人も多く、依存対象がなくなり、強い不安感や抑うつ感に襲われた時に始めて、自分の障害に気付く人もいます。
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強迫性パーソナリティ障害
(強迫性人格障害)
強迫性パーソナリティ障害・強迫性人格障害は、完全主義・完璧主義であり、社会的なルールや道徳、価値観に異常な程に従順です。秩序や順序など細かい事にこだわりが強過ぎるため、柔軟性が全く無く、頑なで頑固な印象を人に与えます。
本人だけでなく、他人のミスや失敗をも許せないために、優しさや思いやりといった感情を容易に示すことができません。娯楽や友人関係を犠牲にしてまで、仕事などにのめり込む傾向があるためワーカホリック(仕事依存症)やうつ病に陥ってしまう危険性がこの強迫性パーソナリティ障害・強迫性人格障害にはあります。
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主張が演技的で、感情の波が相当に激しいのが特徴です。
自己中心的で精神的にも不安定であり、他人を巻き込むことが多くトラブルメーカーの要素が強いのが激情型人格障害と呼ぶものです。
境界性パーソナリティ障害
(境界性人格障害)
すべてのパーソナリティ障害・人格障害の中で最も患者数が多く、その大半は女性です。今後も増加傾向にあると思われます。感情のコントロールに問題があり、気分の変動が激しいことから、躁うつ病と間違えられることもあります。
境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害者は「見捨てられ不安」を強く抱いているため、寂しさや怒り、自暴自棄の感情が常に沸き起こり、相手が自分を見捨てないかを試し続けるために自分の気が済むまで相手に詰め寄ります。
そのため安定した人間関係を築くことが困難になり、対人関係においてトラブルを常に起こしてしまいます。敵味方がはっきりしており、その自分の味方でさえ不満を感じると即座に敵に変化してしまう程の衝動性が常にあり、クレーマーと呼ばれる人はこの境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害に属することが多いと考えられます。
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自己愛性パーソナリティ障害
(自己愛性人格障害)
自己愛性パーソナリティ障害・自己愛性人格障害とは、ありのままの自分を愛せないために、自分が人よりも優越的で、素晴らしい特別な存在でなければならないと思い込む人格障害です。自分の思い通りに物事が進むことが当然だと思っているため、他人から批判や指摘を受けると直ぐにカッとしてしまいます。
また、自分の優越感のために平気で人を利用したり、他人を軽蔑をすることに快感を覚える傾向もあるために安定した人間関係を築くことができないのが自己愛性パーソナリティ障害・自己愛性人格障害の特徴です。
さらに詳しい内容はこちら自己愛性人格障害
反社会性人格障害
反社会性人格障害は、10代半ばから20代前半の男性に多く見られ、自分の利益のために、人の権利や感情を無神経に軽視する傾向があります。自分自身しか信頼しないため、やはり人も自分と同様に「他人とは自分に対して危害を与えるもの」として認識しています。
そのため、不満があるとすぐに相手を敵とみなし、感情を抑えられず暴力をふるうことも少なくありません。また自分の利益のために平気で人を騙したり、嘘をつくこともあり、違反や犯罪を繰り返す傾向があり、これらが反社会性人格障害者の特徴です。
演技性人格障害
日常生活において、常に人の注目を集めたがり、外見を異常なほどに気にするという特徴があります。90%近くが女性であり、芝居がかった大袈裟な言動をし、異性の注目をひくために、性的欲望を挑発するような行動をとったりもします。
自分の行為が注目されないと、自分に価値が見出せないため、本人にとってはストレスになり、更に華美さの追求にのめり込む傾向にあります。
一見、表現力が豊かで活発的にも見えますが、精神は結果に対し完璧を求め過ぎてしまう為、非常に不安定で、感情的混乱が激しいのが演技性人格障害者の特徴です。
病理的人格障害とは、他の人格障害に比べ遺伝的に分裂病気質を持っていることが多く、奇妙で風変わりといった印象を持たれるタイプのパーソナリティ障害・人格障害です。
妄想性人格障害
妄想性人格障害とは、極度に疑い深く、他人の意見をすべて自分への批判だと解釈してしまいます。十分な根拠がないのにも関わらず、他人が自分を利用している、もしくは危害を加えようとしていると訴えたり、目が合っただけで「にらまれた」と主張してしまうため、周囲の人も次第に恐れるようになります。
人に侮辱されたり、傷つけられるようなことがあれば、そのことをずっと根に持ち、恨みを抱き、時には逆襲を企むこともあり危険性を内在化しています。プライドが高く自分に対する評価に敏感で、不当な扱いを受けると激怒したり暴力をふるうこともあるのが妄想性人格障害の特徴です。
統合失調質人格障害
(シゾイド型人格障害)
「統合失調症」が持つ症状(自閉症、興味や喜びの消失など)と関連が深い人格障害と考えられており、2002年までは「分裂病質人格障害」と呼ばれていました。
社会的にも、対人関係においても孤立していますが、もともと人付き合いに関心がないために、そのことについて悩むことはありません。他人に批判されても褒められても関心が低く、感情表現が乏しいため、静かで大人しいイメージを持たれることがあります。
一人でいる時に何かに熱中することは余りなく、空想が好きで、社会的な常識に対して、鈍感とも言えるほど興味も関心もないのが統合失調質人格障害の特徴です。
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統合失調症型人格障害
(分裂病型人格障害)
統合失調症型人格障害(分裂病型人格障害)は、成人期の早期に始まり、人と親密な関係を続けることができず、協調性に欠けています。
また、あらゆることが自分と関係していると考える「関係念慮」を持っていて、人がコソコソ話しているだけで、自分の悪口を言っていると感じてしまいます。この「関係念慮」は統合失調症に似ている症状だと言えます。その他にも、超能力、神秘的思考、霊感やテレパシーなどに強い関心がありますが、幻覚や幻聴などの兆候はありません。
周りからは非常に風代わりで奇妙な人という印象を持たれるのが統合失調症型人格障害(分裂病型人格障害)の特徴です。
さらに詳しい内容はこちらへ 統合失調症
解離性同一性障害
解離性同一性障害は、かつては「多重人格障害」と呼ばれていました。
この解離性同一性障害はパーソナリティ障害・人格障害の中の「境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害」と混同されることが多くありますが「境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害」は気分変動が激しく自己からの解離の状態が無いのに対し、「解離性同一性障害」は、主人格とは別の人格“交代人格”を生み出してしまいます。
さらに詳しい内容はこちらへ 解離性障害
パーソナリティ障害・人格障害の場合には、その人の性格の一部として認識されており、パーソナリティ障害であることが認識できない場合もあります。しかし、実際の生活では人間関係や社会生活を営んでいく上で、弊害が表れていることもあり、無視できない問題となっています。
一般的な人と比べると偏った考え方を持っている場合も多く、周りの人との摩擦が生まれてしまう場合もあるのですが、薬で考え方が変わる訳もなく、ましてや薬で治るものでもないために、結果ほったらかしになっているケースも多くあります。
パーソナリティ障害・人格障害の人と付き合っていくには、取り敢えずは、あまり波風を立てないように合わせていくことが必要になってきます。
しかし、人格障害・パーソナリティ障害とまで言われてしまうと、人付き合いに対して、付き合いにくいレベルを通り越し、弊害が出たり、なにか攻撃されたりということにもなりかねませんので、注意が必要になります。
パーソナリティ障害・人格障害には青年期頃に、段々と生きづらさを感じるようになり、それを周りのせいにしたり、自分は悪くないのに、と考えたりするようになります。考え方に偏りがあっても上手くいっていれば良いのですが、考え方の偏りやパーソナリティの障害で、周りとトラブルを起こすことも多くなりがちです。
人格障害・パーソナリティ障害になっている場合、自覚できず周りが悪いと考えていることで、周囲から段々と人が離れていきます。
自分にパーソナリティ障害・人格障害の自覚があって直そうと努力している場合には大丈夫なこともありますが、認識が無ければ知らない内に他人や家族を振り回すことになり、周りも相手をするのに疲れてしまうことにもなります。
まずは、自分の人格の特質を理解し、それが一般生活に適合しない場合には、合わせて行くような考え方の改革や対応の変化が必要になってきます。自分には問題があるということを自分で認識しなければこのパーソナリティ障害の問題はいつまで経っても解決せず改善も難しいでしょう。
人格障害・パーソナリティ障害の人は幾つかのタイプに分かれていますが、どれも基本は自己中心的な性格を持っているという気質の問題であるとも言えます。
誰かに頼りたいと思う気質であったり、批判を避けて外に出ないという性格であったり、基本的な性格の構成は幼い頃より培われてきたことですが、それが、社会生活を営む上で弊害が出てくるときに、人格障害・パーソナリティ障害という形で問題となります。
今までは大丈夫だったのに、いろいろな社会情勢をきっかけに顔を出すこともあります。自分に自信が無くなり、周りを責めるような行動を取るようになったり、社会生活に馴染めなくなったりします。しかし、人格障害・パーソナリティ障害であっても、この社会で生活していかなければなりません。
適切な治療や指導を受けることにより、社会に溶け込んでいくことは可能です。
完璧主義の性格だったりすれば、外で失敗して恥をかくことが怖い場合もあります。そんな場合でも一歩踏み出して、いろいろな経験を積むことで分かってくることもあるのですが、人格障害・パーソナリティ障害の人はそれが怖いと感じている人もいます。
また対人関係においても、相手に過剰な期待をかけて、それが報われないと攻撃に転じるなどの行動を起こす人もおり、一緒にいる人はホトホト疲れ果て、次第に距離を置くこともあります。
パーソナリティ障害・人格障害の気配があると感じたならそれを認識し、改善していくことが必要になりますので、生活していく上で抑うつ感を覚えたり、周りに怒りや憤りを感じる場合などには、人格障害・パーソナリティ障害を疑ってみる必要があります。
人格障害・パーソナリティ障害を持つ人の根底にあるのは自分自身に対する自信の無さになります。人を見下すことや、人を攻撃したり、利用することで安心するという傾向にあり、それが人の権利や心を傷つけていることに気づくことが出来ません。
これは幼い頃からの成育環境なども起因しており、十分な愛情を受けることが出来なかった場合や、自分の育成家庭で自分自身に価値を見出すような瞬間が無かったことなどが挙げられます。
もちろん愛情を受けていた場合であっても、自分はダメだなぁと感じることが多くなると次第に自信を失って、パーソナリティ障害・人格障害のような様子を見せることもあります。
学生時代には勉強もそこそこできてそれほど問題がなかった場合でも、社会に出て、就職してから様々な人たちと交流していく上でパーソナリティ障害の弊害が出ることもあります。本人も様々な人から多種多様な価値観を押し付けられることで対応できなくなってしまい爆発することもあります。
周りにいる人はどうしてしまったんだろうと右往左往するのですが、本人は社会に対する恨みにも似た感情を抱いている場合も多くあります。
他人のせいにしている自分に気づき、自分でも周りに気を配り、協調性を持つように努力することも必要になってくるのですが、人格障害・パーソナリティ障害者は自分が悪いという気持ちが湧いてこないので、常に、周りが悪いのだという意識を持っています。
自己評価の基準には、周りから評価されていることが大切なものになっていますが、人格障害・パーソナリティ障害の場合には何の功績もないにも拘らず、自己評価が高いという人もいます。そうして、他人を馬鹿にして、見下したりコケにするような態度を取るようになるので、周りからは疎まれていきます。
人からの評価は自己評価の6割程度になっていることが分かると、努力の方法も変わってくることもあるのですが、パーソナリティ障害・人格障害になっていると自分を認めない周りが悪いのだと考えてしまうことで、周りへの憎しみや恨みなどが募っていくケースもあります。
パーソナリティ障害のその根底には、幼少期に厳しいしつけを受けていたことが理由であったり遺伝的な要素も否定は出来ません。
人格障害・パーソナリティ障害の人は人間関係においても、普段の生活に関しても、破壊的な行動や破滅的な行動をとることも多いです。他人は自分の利益のために利用するものだという価値観を持ち、人と信頼関係を築いて日々過ごしていくということが難しい場合が多いです。
人が嫌がることや人を傷つける行動も平気で取ってしまうために、次第に自分の周りから人が居なくなる場合も多いでしょう。パーソナリティ障害・人格障害においては、本人は自分はその自覚がない場合が多いのですが、巻き込まれる立場からすると、見過ごせない問題の一つでもあり、付き合い方も考えていく必要が出てきます。
パーソナリティ障害・人格障害が疑われる人が側にいる場合には、そのことに気づいてもらい、円滑に人間関係を進めていけるようにするといいのですが、なかなか難しいのも現状です。しかし、人格障害・パーソナリティ障害といわれる気質の問題を自分の考え方を変えていくことで修正することは可能です。
人へ依存してしまう、裏切られたと激高してしまうという場合には、その考え方を少しずつ変えていき、穏やかな毎日が送れるように、カウンセリングなどを受けることもいいでしょう。治すのは自分自身三浦になってきますが、自分の破壊的な考え方を変えていくことで、自分の心が穏やかになっていくことを実感できるかもしれません。
常に人を恨んでいるような生き方では幸福とは程遠い人生しか送れません。
このように一概に「パーソナリティ障害・人格障害」といっても、種類や症状は様々であり、全てが同じ原因で発症しているとは言い切れません。
遺伝的な要因と幼少期の生育環境などの社会的要因が複雑に絡み合って障害が起きているとも考えられていますが、そこに共通して存在するのは潜在意識の中に宿る「偏った考え方」や「歪んだ価値観」です。
名古屋聖心こころセラピーでは、このような思考パターンを修正し、世の中や人に対して正しい見解を持つためのコーチング・認知行動療法・ヒプノセラピーを駆使し、パーソナリティ障害・人格障害の改善・克服を促します。
「不幸に結びつく衝動を抑え、幸福に結び付く考え方・捉え方への移行を促進します。」