カウンセリング実例

カウンセラーがクライエントから受けた実際のカウ
ンセリングの実例を相談内容別にまとめたものです

相談別カウンセリング実例集

                     

夫婦カウンセリング

結婚11年、奥様からのお申し込みで夫婦カウンセリングが始まりました。夫婦の意思疎通が困難な期間が長く続き、かろうじて子を通しての会話がやっとの状況を、新婚当時のように会話が弾む愛ある夫婦関係を取り戻したいとのご要望でした。奥様から経緯や現況をお話しいただき、問題点の整理と問題点の把握を努めた上で、ご主人にもお越しいただき、意見の相違や奥様への気持ちや要望などをご主人の視点での思いをお聴きし、ご夫婦でカウンセリングを進めて行きました。ご主人には女性心理をしっかり学んでいただいたことにより、奥様への理解が全く足りなかったことを痛感され、その後コツを掴んだご主人は、奥様へのコミュニケーションのアプローチも活発となり、奥様もご主人への優しさが素直に表現できるようになり、夫婦の障壁を取り除くことができカウンセリングを終えていきました。

この例に限らず、夫婦関係には、性格不一致・価値観の相違・セックスレスや浮気・モラハラ・DV・実家との関係・義父母との関係、など様々な問題の相談を承っております。

夫婦共依存

40代、結婚20年程の専業主婦であるE子さんが、おひとりでカウンセリングを受けにお越しになりました。相談内容は、夫の度重なる浮気と言葉や態度のDVとモラハラへの対処法でした。ご主人は50代、地元で代々続く開業医、知り合った当時も強引な自分勝手な面があったものの、努力家で優しい面もあり結婚を決断したそうです。しかし新婚時代には既に浮気は常態化、子にも私にも頭ごなしに命令的、少しでも逆らえば罵詈雑言、そんな毎日の中、離婚を度々考えるものの、両親や周囲の方々に心配や迷惑を掛けたくない、いつか夫も変わってくれるに違いない、との一心で横暴な振る舞いや浮気に耐え続けたそうです。そしてカウンセリングへの目的は、今後どうしたら良いのか、と少し漠然としたものでしたが、ここで一番問題となるのは勿論ご主人側ですが、E子さんの夫婦間の共依存も相当に問題であることを理解して頂くことから始めました。何故ならこの夫の浮気や横暴な態度を増長させた責任の一端はE子さんにもあると言えるからです。夫婦の共依存とは良くない問題のある人を許し支えてしまう人のことを言います。E子さんには離婚の意思が無いのであれば、夫と対峙する勇気と自立した精神を持つことに焦点を当てカウンセリングを進め、従順な弱い女性から脱却し、紆余曲折もありましたが、ご主人もカウンセリングにお越しいただき、今では対等なパートナーの地位を得る事ができました。

DV

40代の男性がカウンセリングにお越しになりました。自分が妻にDVをしてしまい妻は子を連れ実家に戻ってしまった、とのことで相当に困惑の様子でした。結婚10数年妻に手を挙げたことは一度もなく、今回も些細なことで妻の逆鱗に触れ3時間余り、夜中の2時まで新婚当時から今までのことを散々否定され離婚を迫られ、挙げ句の果て物を頭にぶつけられ、いい加減にしてくれ!と妻を突き飛ばしたら、即座に、あなたは暴力を私に振るった、これはDVだ!と実家に電話をされ、翌日仕事から帰れば妻と子供は実家に戻り離婚に向けて別居だと宣言されてしまったとの訳でした。話を聞けば妻は以前から些細なことでヒステリックになり感情の起伏が激しく、腫れ物に触るように接して来たとお話しされていました。最近はこのようなケースは非常に多く相談を受けています。カウンセリングではご主人に、良くない人を支えてしまう共依存関係であることを告げると共に、自尊心を取り戻し、女性心理を学んでいただき、実家の妻へのアプローチを共に考え、なんとか奥様もカウンセリングにお越しいただけることになり、奥様の持つ強い衝動の感情を穏やかなものに移行を進めています。余談ですが、男性DVの相談もさる事ながら、最近では女性側のDVが非常に多く、DVとは決して殴る蹴るだけの話では無く、広義に捉えれば無視、不機嫌、馬鹿にした態度、夫への管理、預貯金の非公開などもそれに当たるのではないでしょうか。

セックスレス

最近では女性側では無く、男性側のセックスレス相談の方が多く、ご夫婦で相談にお越しいただいています。セックスレスは男性と女性側では随分捉え方に相違があります。女性は性的交渉を「愛し合う」と表現される方が一般的ではないでしょうか。夫は愛しているとは言うものの、私との関係を拒む、もしくは消極的であれば女性は不安に思い、非常に寂しい思いを抱きます。妻が夫に話し合いを求めても何かと理由を付けてやはり対応してくれない。こう着状態が続き、ようやくセックスレスを健全な夫婦の状態に戻そうとカウンセリングに来てくれます。男性のセックスレスの原因は、仕事疲れ、夫婦喧嘩のシコリなど、または理由が自分でも分からない、との認識の方が多いですが、原因は意外に思われるかもしれませんが、自分自身では気付かない、深いところにあることがほとんどです。

性依存症

夫は性依存症なのではないか?との不安を抱え奥様の申込により30代のご夫婦がカウンセリングにお越しになりました。ご主人は独身の頃より性風俗に行ってたものの、結婚時の約束で、もう二度と風俗遊びはしない、と約束し結婚をスタートさせました。やがて子も授かり幸福な生活の中で、奥様はふとテーブルの上に置かれていた夫のスマホを見た瞬間一気に身体の力が抜けてしまったそうです。夫への不信感と裏切られた怒りで夫を問い正したところ、新婚当初から毎月のように風俗遊びを続けていたことを知り、新婚からの幸せな生活が嘘の上に成り立っていたことを知り、夫を責める日々が続き、夫婦共々疲弊してしまったそうです。夫は奥さんを愛しているのは事実だが、自分でもどうしてこれを繰り返すのか解らない、と夫が言うのでこれはもう病気だと奥さんは判断し、心療内科へ通院したが薬では治らないと判断し、カウンセリングにお越しいただいたと聞きました。性依存症の原因を自分で気付いている人はほとんどいらっしゃいません。ですがこの問題の解決はそんなに難しいものではありません。仕事のストレスとか夫婦関係が原因ではありません。そのほとんどは幼少期から思春期において既に性依存症の起因は出来上がっています。過去の整理整頓をすることにより性依存症は脱却可能です。相談いただいたこのケースも性依存症の問題は解決し、夫婦仲も改善し、カウンセリングを終えていかれました。

恋愛依存症

専門職であるA子さんから、恋愛依存に関しての相談をお受けしました。A子さんは高校生の頃から現在に至るまで、恋愛が長続きしたことが無く、数ヶ月から長くても1年程で毎回「同じ理由」で破局を迎えてしまうとのことでした。A子さんは慎重さも兼ね備えており、直ぐに男性に夢中になるタイプではなく、むしろ相手をジックリ見るため、自ら行動は取りません。恋愛のスタートはいつも男性からの積極的なアプローチから始まり、A子さんは次第に心を開いていくタイプなのですが、一旦心を許し関係を持つと、彼への思いが日に日に高まり、日常のバランスをかろうじて保つものの、彼への想い支配されてしまい、いつどこで何をしているのか、彼は何を考えているのか、私をどう思っているのか、など様々な思いに支配され、次第に彼への干渉が始まっていき、解ってはいるが感情のコントロールがやがて困難となり、最終的には彼に、重い、疲れる、束縛に耐えられない、などの理由により彼が去ってしまう。この負のループを改善したい、との思いでカウンセリングを受けていただきました。A子さんの根本のあるものは、愛情の枯渇感にあり、なんでも話し合える、なんでも分かり合える、決して裏切ることのない、唯一無二の人を求めているところに苦しみがあり、それを求めれば寂しくつらい結果が待っていること。そしてその起因は成育過程である家族問題にあることを理解することから始めました。6回ほどカウンセリングにお越しいただき、次第に相互尊重・相互理解の思考を身につけていただき、大人の恋愛を楽しむ余裕が持てるようになりカウンセリングを終えていかれました。

アダルトチルドレン

メーカー勤務のA子さんの悩みは、昔から自分に自信がなく、仕事面ではミスを恐れ、仕事ぶりを人と比較し、自己否定、自己嫌悪、人間関係に疲れてしまい、生きている意味も解らない、など、抱え切れないほどの問題をどうしたら良いのか分からないとの思いで、カウンセリングを受けに来られました。この状態がまさにアダルトチルドレンの状態そのものであり、このような状態を総括し言葉にすれば「生きづらさ」となり、それこそがアダルトチルドレンの正体と言えるでしょう。A子さんとカウンセリングを進めるにあたり、幼少期~今に至る親子関係に焦点を当てることにより、生きづらさの原因をようやくA子さんは客観的に理解し受け容れることで、親のからの負の影響を脱することができ、自己の確立を果たし、自信を深め、主体性を持って仕事や人間関係にも立ち向かえるようになり、カウンセリングを終えていきました。子は親を批判的に捉え悪く思えば必ず罪悪感を持ってしまうものです。子である以上、親への思いは当然あるものですが、そこは親側ばかりではなく、自分側に立ててこそ初めて自分を生きることに繋がります。

親子問題

Sさんは、ご夫婦でカウンセリングにお越しになり、当初夫婦カウンセリングを希望されました。内容的には夫婦喧嘩が結婚当初から絶えずなんとかならないか、とのご相談でしたが、夫婦関連のアンケートや心理テストを進める上で、夫婦の争いごとの起因は妻側の母親との関係性の問題が浮かび上がりました。母親からのメールや電話、実家に出掛けたりしたなどの対応後に、夫への対応が日常に比べ過剰反応を起こし夫婦喧嘩に発展することが解りました。そのことをSさんに告げましたが、「母親とは今は良い関係ですよ」と戸惑っている様子でした。しかし、幼少期から育った母親との関係性を振り返ればSさんとは様々なことがあったようです。毎日のように母親から愚痴を聞かされたり、躾も厳しく、暴言や侮辱も多々あったようですがSさんは反発することなく現在まで過ごして来ました。確かにSさんの母親は、現在はSさんに対し優しい母親として接していますが、Sさん自身の心中では以前の母親と今の母親とのギャップ、不協和音や矛盾が生じているため心の処理が追いつかず、甘えの効く夫にそのやり切れない矛先が向いてしまう結果となっていたと考えました。母親と距離を置くことを提案し、それを実行していただいたSさんは、夫との関係は良好となり、めっきり争いごとも皆無となりカウンセリングを終えていかれました。

親子共依存

40代の男性会社員Mさんは、実家で御両親と三人で暮らしていました。Mさんは長男である以上、親との同居は当たり前のことであり、疑問すら持ったことが無いとのことでした。Mさんが当初カウンセリングに来られた目的は、人生が楽しいものとは思えない、自分自身が解らない、生きる意味が解らない、この子供の頃から漠然とした不安な気持ちの中で生きて来たとも仰っていました。様々な心理テストによる分析の結果、Mさんは親子問題、親子共依存が色濃く浮かび上がりました。父親は仕事は真面目にする方であったようですが、目的感を持ってMさんを外に連れ出し人生の楽しさ喜びを教える方では無かったようです。そしてMさんはことある度に「長男だから、跡取りだから」の言葉をよく聞かされたとのこと。母親はMさんを思うが余り、何から何まで先周りをし、指示が多くMさんの失敗を未然に防ごうと躍起になり、結果過保護過干渉の育て方となっていたようです。Mさんには精神的にも物理的にも自立を目指す主体性作りに挑んでいただき、早期に目的は達成され、実家から独立し一人暮らしを始め、今は婚活に精を出されているようです。

回避性パーソナリティ障害

フリーランスで仕事をされている、独身のKさんは、回避性パーソナリティ障害や社交不安障害の悩みで、カウンセリングへお越しになられました。フリーランスでのお仕事も、人との関わりを極力避けることを目標として、手に職をとの思いで、長年勤務していた職場を退職し、プログラム関係の資格を取得し、現在フリーランスで生計を立てているという大変な努力家の方でした。今までに数多くの人達の誘いは何かと理由を付け、断り続けてきたと伺いました。女性との交際も結婚願望も興味を持てないとも仰っていました。心理テストの結果を多方面から分析すれば原因は自ずと浮き彫りになります。そこにはKさんも受け入れ難いものも含まれていた筈ですが、Kさんは葛藤の中、次第に根本原因に理解を深めていくことに向き合っていただけました。その結果は、Kさんはゴルフを始められたり、女性への興味も持ち始められたようで、こちらとしても嬉しい限りです。そんな中でカウンセリングを終えて行かれました。

ギャンブル依存症

ギャンブル依存症の当事者のその殆どが、奥様が同伴でカウンセリングにご相談に来られます。競馬・競輪・競艇などの公営ギャンブルまたはパチンコ・スロットル、稀ですが不法カジノなど、その多くのギャンブル依存の方は、小遣いの範囲を遥かに超え、家族の預貯金も使い込み、キャッシングローンや、友人知人にまで借金をし、返済不能になっても更に何処かでお金を工面し取り戻そうとする、常軌を逸した状況に、奥様を始め周囲の多くの人たちを巻き込み落胆させる依存症の中でも家族にとっては非常に怖い依存症です。もうしない、と奥様に二度三度約束するも裏切られ、子のことを考えると離婚にも躊躇ってしまいどうして良いか分からず困り果てて夫婦でお越しになります。ギャンブル依存を脱却するには根本的な考え方の変更を成し遂げなければ繰り返してしまいます。ギャンブル依存症は出た結果にしか過ぎず、一番大きな問題点は「幸福を壊してしまう性格」にあります。それは本人も全く気が付いていないケースが殆どです。ギャンブル依存症に陥る方々にはかなりの共通が見出されています。仕事のストレス、夫婦不仲。なども多少の影響はあるものの、根本は過去の家庭環境の影響がギャンブル依存に走らせているのを理解することに気付く必要があり、そして奥様が同伴し夫と共にカウンセリングにお越し願えればこの問題は解決します。

 
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